Imai_Kaneko'88(Y.Hayashi)

新しい分業観

主体的な個による相乗効果:
違いがあるからこそ情報が発生し, そうして発生する情報によって 互いを影響し, 互いから影響されることで相乗効果を生む結果, まとまり が発生する.

主観選択によって行動する個人が集まると, 対立を内包するインタラクション プロセスの中で何かしらの秩序が形成される. その自己組織的な形成の背後には, 共通の感覚というべき「まとまり」が 存在する.

多様性によるカオスの活用:
ネットワークに新しい要素(情報や人)を加えると, 思いがけない連結が 起こり, 動的協力性が始動しだし, 全体が一変することがある.

それがある臨界点をこえると, メンバーのコミットメントが基本的に変わり, そこに飛躍が生まれる.

オープンシステム性:
組織とは, 限られた合理性を発揮する為に, さまざまな情報を集約し, 解釈を作るシステムであり, また, 時間と場所に制約された知識を限られた 特定の人々の間で生み出していく「場」である(場面の細部を窓として環境 世界をつかみ直し, 新たに情報創出する場).

ゆえに, 権力とは「無縁」の場を設定して, 人と人や, 組織と組織との間の関係を変えられるように, 組織が常に 外に向かって文脈を広げることが必要.


林 幸雄 (yhayashi@jaist.ac.jp)
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