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名人の思考に学び、機械の思考を深化させ、
思考の世界を探求する

飯田研究室 IIDA Laboratory
教授:飯田 弘之(Iida Hiroyuki)

E-mail:iidajaist.ac.jp
[研究分野]
ゲーム情報学
[キーワード]
コンピュータゲーム、ゲーム洗練度の理論、思考の世界の力学

研究を始めるのに必要な知識・能力

物事を広角にとらえられる能力。学部レベルの基礎的な学力。

この研究で身につく能力

問題を発見する能力およびそれを解決する能力を磨く。課題に対して論理的に探求する方法論を学ぶ。参考文献を調査し、関連研究を整理する能力を鍛錬する。研究成果を理路整然とまとめる能力。世界に通用する能力が身につけられる。

【就職先企業・職種】 IT系企業、エンタテインメント系企業、教育機関、IT技術者、ゲームデザイナー

研究内容


図1.階段ジャンケンの例
戦略の最適化としてナッシュ均衡(ゲーム理論)が重要である。一方、ゲーム洗練度の理論はゲーム設計の最適化(例えば、適切な階段数の特定)に有用である。

1.ゲーム洗練度の理論

 思考ゲーム、ビデオゲーム、スポーツ競技、あるいは、日常の何気ない出来事の中で、終了間際まで結果が判らないためにハラハラ・ドキドキする場面に遭遇することがあります。そのような状況でしばしば心地よいスリル感を味わった経験をお持ちのことでしょう。このように、結果の不確定性がゲームの面白さに直結しています。こうして、試合結果に関する情報の時間推移モデルから情報加速度を導出し、ゲームのスリル感に相当する指標をゲーム洗練度の指標として提案しました。長い歴史を経て洗練淘汰されてきたゲームでは洗練度の指標の値がほぼ同じになると仮説的に考えています。古典的なゲーム理論ではプレイヤ目線での最適戦略を探求するのに対し、ゲーム洗練度の理論ではゲーム設計(プレイヤのQOL)の最適化を目指します。人間の脳が心地よいと感じるゲームの設計理論と言えるでしょう。この理論を発展させることで、既存のゲームの進化論的変遷を紐解くだけでなく、理想的な生活環境の実現に貢献できることを目指しています。

2.名人の大局観

 チェスや将棋などの伝統的な思考ゲームにおいて、コンピュータは名人を超えるほどに強くなっています。しかし、人間の思考の本質的な部分については未解決のままです。コンピュータゲームの今後の研究は、名人の大局観のメカニズムを理解し、その高度な技術の社会応用が重要な課題となっています。典型的な例の一つとして名人の投了があります。

3.思考の世界の力学

 ゲーム洗練度の理論の考案に先立って情報加速度の概念を提唱しました。ニュートン力学によれば、「力」は質量と加速度の積として求められます。思考の世界の質量はどのように定義されるのでしょうか。ゲームで言えば、局面での決定性の複雑さ(decision complexity)、あるいは、対象となる問題の本質的な難しさであると考え研究を進めています。思考の世界における力の大きさが達成感などの感情(エンタテインメント)への影響の大小と関わっているのではないかと考えています。思考の世界の力学に挑戦してみませんか。

主な研究業績

  1. Computer Shogi,H. Iida, M. Sakuta and J. Rollason,Artificial Intelligence,134,1-2,121-144,2002
  2. Potential Applications of OM-Search: Part 1. The domain of applicability,Iida, H., Uiterwijk, J.W.H.M., Herik, H.J.v.d. and Herschberg, I.S.,ICCA Journal,16,4,201-208,1993
  3. Game information dynamic models based on fluid mechanics,H. Iida, T. Nakagawa, K. Spoerer,Entertainment Computing, Elsevier Science,3,3,89-99,2012

研究室の指導方針

博士前期課程では論文執筆を重点的に訓練します。研究テーマに関連する分野のサーベイや新たなアイデアの創出・記述法などを学びます。博士後期課程では世界レベルの研究を遂行できるように指導します。本学は当該分野の世界的研究拠点となっており、これまで構築した世界的なネットワークを活用し、最先端の興味深い研究を実践します。論文執筆においては、研究の質により重点を置き、世界的に高い評価を得られる学位論文の作成を目指します。

[研究室HP] URL:http://www.jaist.ac.jp/is/labs/iida-lab/top.html

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