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強いゲームAI、楽しませるゲームAI、
教えるゲームAI

池田研究室 IKEDA Laboratory
准教授:池田 心(Ikeda Kokolo)

E-mail:kokolojaist.ac.jp
[研究分野]
ゲーム情報学、最適化・進化計算、機械学習、エージェントシミュレーション
[キーワード]
囲碁、落ちものパズル、RPG、ターン制戦略ゲーム、モンテカルロ木探索、人間らしいAI

研究を始めるのに必要な知識・能力

集合、関数、確率といった数学的概念の基礎。何らかのボードゲーム・テレビゲームが好きで、かつ、不満を感じることができること。できれば、ある程度のプログラミング技術・経験。できれば、英語の技術文章が読めること。

この研究で身につく能力

研究には大きく分けて3層の能力、(1)ゲーム情報学の専門知識 (2)人工知能やプログラミングなどの情報技術 (3)知的労働者としての一般的能力が必要で、それらを身につけることを目指します。(2)では、対象や将来設計に合わせ最適化・機械学習・木探索などの技術を学ぶとともに、“人に読まれる”“長期的に保守する”ことを意識したプログラミングの能力を身につけます。(3)では、対象を深く考察し問題を発見する能力、それに対し多角的な接近を検討し試験する能力、結果を客観的に比較判断し研究サイクルを回す能力、相手に合わせて図や例や式を用いて分かりやすく手法や結果を説明する能力、必要に応じて文脈を踏まえた報告・連絡・相談をする能力、長期的な目標を分解して短期中期のスケジュールを立てる能力などを身につけることを目指します。

【就職先企業・職種】 ゲーム関連企業への就職もありますが、一般的なIT企業へのSE等での就職が多いです。

研究内容

【概要】

 琴棋書画が知識人の嗜みとされた古来より、ゲームは人類の大切な文化です。コンピュータの登場によりテレビゲームがその仲間に加わり、また従来のボードゲームでもコンピュータプログラム(AI)が人間の相手をしてくれるようになりました。将棋やチェス、最近では囲碁でもコンピュータはプロレベルの強さを持ちますが、麻雀など、もっと複雑なゲームではまだ十分な強さには至っていません。また、単に強いだけでは人間を満足させられないことも分かっています。我々は、木探索・最適化・ 機械学習・シミュレーションなどの人工知能技術を用いてこれらの課題を解決し、人とゲームとコンピュータの良い関係を実現します。

【楽しませる・教えるゲームAI】

 人間の相手となるようなゲームAI には、実にさまざまな能力が要求されます。弱すぎず強すぎず人間プレイヤの力量や好みに合わせて強さを"悟られずに"調整できること、挙動が自然であること、いつも同じことばかりせず多様で時には思いもつかないことをしてくること。あるいは人間とゲームAI がチームを組むような場合には、人間がどのようなゴールを 目指して行動しているのかを汲み取り、それに合わせてあげることも必要になります。さらには人間を指導するようなゲームAI も目標の1つです。
 ゲーム情報学の分野はこれまで強さを求めた研究が主流で、楽しませる・教えるといった研究は始まったばかりです。現在池田研究室では、接待碁プロジェクト(右図)を中心に、そのベースとなる囲碁プログラム Nomitan の開発、ロールプレイングゲームにおける意図を汲み取る仲間AI、パズルゲームのやりがいのある問題作成、本物よりも乱数らしく見える疑似乱数、感情を感じられるアクションゲームのキャラクタの演出、状況に応じて戦略を変える麻雀AI など、メンバーごとの好きなゲームや問題意識に合わせてさまざまな内容を研究しています。

【研究用ゲームAI開発環境】

 ゲームAI を学問として研究する場合、研究者ごとに独自のゲームに取り組んでいたのでは比較や再現が困難です。市販のゲームをそのまま使うことは問題が多く、またルールが煩雑な場合が多いことから、研究用に統一的なルールを定めて開発環境を公開することが有益です。いくつかのゲームではそのような開発環境がすでにあり、国際会議等で競技会が行われるなど活用されていますが、主に日本でのみ有名なゲームの場合は十分なものがありませんでした。
 そこで我々は、落下型アクションパズル(図左)、ターン制ストラテジー(図右)について研究用にルールを策定し、開発環境を公開し、自分達で強いプログラムを作るほか、他大学等でも利用してもらっています。今後もこれらの改善・普及を行うとともに、別のタイプのゲームについても検討していく予定です。

主な研究業績

  1. 池田 心,Viennot Simon:行動評価関数を用いたモンテカルロ木探索の重点化と見落としの抑制,情報処理学会論文誌,Vol.55,No.11,pp.2377-2388,2014
  2. 池田 心:楽しませる囲碁・将棋プログラミング,オペレーションズ・リサーチ学会,Vol.58, no.3, pp. 167-173, 2013
  3. 富沢大介,池田 心:落下型パズルゲームの定石形配置法とぷよぷよへの適用,情報処理学会論文誌,Vol.53, No.11, pp. 2560-2570, 2012

研究室の指導方針

国内学会での発表ができるレベルを修了の目安とし、学生ごとの“ゲームへの愛情と不満”をもとにした研究を意欲的に行ってもらいます。一方で、情報系企業の知的労働者として活躍できるように、チームの一員としての活動の仕方(チームプログラミング、報告・連絡・相談、プレゼンなど)を身につけることを重視しています。随時の指導とは別に、週1回のゼミ(発表は2〜3週に1回)、平日昼の顔合わせミーティング、メールでの週末の定期報告などを行っています。

[研究室HP] URL:http://www.jaist.ac.jp/is/labs/ikeda-lab/

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