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無人移動ロボットによる知的環境センシング技術の開拓

池研究室 JI Laboratory
准教授:池 勇勳(JI Yonghoon)

E-mail:
[研究分野]
ロボティクス、センサ情報処理
[キーワード]
移動ロボット、ロボットビジョン、環境センシング、 SLAM(simultaneous localization and mapping)

研究を始めるのに必要な知識・能力

線形代数学、確率論等の数学の基礎力と、ロボット工学、計測工学、機械学習の全般的な知識を持っていた方が望ましいですが、好奇心を持って研究への意欲のある学生であれば歓迎します。自分のアイデアをロボットシステムに実装するために、簡単なハードウェアの制作とプログラミング言語(特にC++)に慣れている場合は有利です。

この研究で身につく能力

ロボティクスは、機械・電子・情報・制御・計測等の様々な分野の要素技術が融合される分野であり、システムインテグレーション技術が非常に重要です。具体的な研究テーマによって差はありますが、エンジニアとしての幅広い工学的知識を習得可能です。また、当研究室では実際の現場に適用可能な社会実装に焦点を当てた研究を積極的に行っているため、様々な社会ニーズと先端技術とのマッチング能力と、社会に貢献可能な新しい技術を創造する基礎能力を学ぶことができます。

【就職先企業・職種】 製造業、IT系企業、研究職等

研究内容


図1. SMLOループに基づくサーベイマップ生成
当研究室では、ロボット技術を通じて様々な方面からの社会実装を目指して研究を行っています。具体的には、様々な環境条件において、無人移動ロボットに搭載した各種センサからの情報を分析し取得した環境の形状情報および物質・材料等の環境内に分布する物理的な情報を活用することで、実社会の様々な問題解決に貢献可能な研究に取り組んでいます。

1.被災地探査ロボットによるセマンティックマップ生成

当研究室では、自然災害をはじめ原子力災害等の災害現場において、被害情報収集活動や原子炉建屋内の環境モニタリングを実施するための、半自律移動ロボットによるセマンティックサーベイマップ生成システムを開発しています。具体的には、ロボットに搭載されたサーモカメラやハイパースペクトルカメラ、LiDARなどの複数種類のセンサ情報を取得・融合し、環境の物理的な特徴量を含むマップを生成する技術を開発しています。図1に示すSMLOループの各要素技術を他大学とも連携をとりながら開発しており、生成されたサーベイマップは、後の減災・廃炉・復旧復興計画に役立てられることを想定しています。

2.音響カメラによる水中環境センシング


図2. 音響カメラによる水中での画像撮影

最近、図2に示す濁った水中環境でも3次元空間における高解像度の画像を生成可能な音響カメラの開発により、水中状況の把握が容易になりました。このタイプの超音波センサは比較的小型であり、水中ロボットにも簡単に装着され、環境中に存在するマテリアルの特性を計測情報により分析可能です。当研究室では、新空港・港湾・海底トンネルの建設及び干拓事業などの水辺の開発環境のような人間が直接入れない極限水中環境において、無人水中ロボットに搭載した音響カメラを使用し、物質・材料に関する環境情報を反映した3次元マップ生成システムを開発しています。生成された水中環境のマップ情報を関連する意思決定機関へ提供することで、後の水辺の開発計画などの策定のための活用を図ります。

3.自律移動ロボットのナビゲーション

様々なサービスロボットの開発のために不可欠な要素である自律移動ロボットのナビゲーション技術は、ここ数十年間活発に研究されてきた分野であり、最近では既に多くの技術が実用化されつつあります。当研究室では、様々な次世代センサからの計測情報を処理し、自律移動ロボットのナビゲーションの性能を向上させるための研究を行っています。

主な研究業績

  1. Y. Wang, Y. Ji, H. Woo, Y. Tamura, H. Tsuchiya, A. Yamashita, and H. Asama, "Acoustic Camera-based Pose Graph SLAM for Dense 3-D Mapping in Underwater Environments," IEEE Journal of Oceanic Engineering, pp. 1-19, 2021.
  2. Y. Ji, Y. Tanaka, Y. Tamura, M. Kimura, A. Umemura, Y. Kaneshima, H. Murakami, A. Yamashita, and H. Asama, “Adaptive Motion Planning Based on Vehicle Characteristics and Regulations for Off-Road UGVs,” IEEE Transection on Industrial Informatics, 15(1), pp. 599-611, 2019.
  3. Y. Ji, A. Yamashita, and H. Asama, “Automatic Calibration of Camera Sensor Network Based on 3D Texture Map Information,” Robotics and Autonomous Systems, 87(1), pp. 313-328, 2017.

使用装置

車輪型およびクローラ型の移動ロボット
LiDAR、測域センサ、光学カメラ、音響カメラ等の環境計測センサ

研究室の指導方針

当研究室では、ロボティクスという学問分野を通じて、多方面に社会に貢献できる人材を育成することを目指しています。そのためには、社会ニーズを把握した上で関連する技術動向を反映させる指導が重要であると考えており、学生には実際の現場に適用可能な社会実装を目標とした研究テーマを与えています。次に、研究成果を世の中に発信するため、すべての学生に対して国内・国際学会発表および学術論文の作成を積極的に推奨しています。最後に、研究室内でのミーティングはもちろん他大学および企業との連携を通じて、複数人のグループでの働き方、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力等も鍛えることを目指しています。

[研究室HP] URL:http://robotics.jaist.ac.jp/

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