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新しい固体触媒プロセスの構築による
資源・エネルギー問題の解決に挑む!


講師:西村 俊(Nishimura Shun)

E-mail:
[研究分野]
触媒化学、固体触媒、合金触媒、バイオマス変換
[キーワード]
資源・エネルギーの有効利用技術、金属ナノ粒子触媒、固 体酸塩基触媒、新触媒の創成、触媒作用機構の解明

研究を始めるのに必要な知識・能力

基礎的な計算・データ処理能力と仲間と安全に研究を進められる方であれば、バックグラウンドを問わずに歓迎します。物理化学、有機化学、無機化学、分析化学、触媒化学などの基礎・経験があると、よりスムーズに研究を開始できます。失敗にひるまずに挑戦する「忍耐力」や「好奇心・探究心」がより自発的に研究を進める上で役に立ちます。

この研究で身につく能力

新しい固体触媒プロセスの開発は、触媒設計→触媒調製・条件の最適化→触媒活性評価・反応条件の最適化→触媒のキャラクタリゼーション→触媒作用機構の提案→検証・再考といった多くの研究段階からなっています。また、触媒作用に関連する因子は一つであるとは限りません。従って、触媒開発プロセスを経験することで、様々な分析・評価手法の技術習得、多角的に実験データを整理・解析・統合する力を身に付けることができます。また、英語の先行研究を読み自らの研究へフィードバックする力、自分の結果を他人へより分かりやすく伝えるためのプレゼンテーション力を、日常の研究室ゼミや学会発表等を通じて向上できます。

【就職先企業・職種】 化成品・ポリマー製造や自動車触媒製造を主とした化学・材料メーカーなど。

研究内容

 触媒は様々な物質変換・合成プロセスに欠かすことができない材料で、身近な生活を力強く下支えしています。そのため、高機能な触媒プロセスの開発は、日常の生活様式の劇的な改善やより 低環境負荷なスタイルへと大きく変えるインパクトを持っています。例えば、空気中の窒素の人工的な固定化を実現したアンモニア合成触媒の実現(1918年ノーベル化学賞)は、窒素を含む化学品 合成の発展に繋がり、その後の安定的な食料生産による人口増加や火薬製造による工業の発展へと繋がりました。
 当研究室では、「従来の在来型化石資源の利用技術で培われた触媒プロセス技術を生かし、より高効率な触媒を設計するための指針の提案」や、「固体触媒を用いた高効率な次世代バイオマス資源変換プロセスの構築」を図ることから、持続可能・低環境負荷な社会形成に貢献できる触媒プロセス技術を構築することを目指しています。

・金属担持触媒の高機能化に向けた触媒設計と作用機構解明

 金属活性点を固体表面に固定化した金属担持触媒は、主に1. 金属活性中心の電子状態や形状、2. 金属活性点の周囲環境、3. 担体の性質によって、その触媒作用が大きく異なります。それぞれの因子を系統的に制御し、対象とする触媒反応への性能を評価することで、求める触媒作用に対して選択的に欲しい性能を付与できる触媒調製指針の策定を目指します。例えば、異種金属を合金化 させた活性サイトの構築による高活性化(CS&T 2013, ACS Catal 2013, CheSusChem 2015など)、保護配位剤を作用させることによる活性点周囲の環境制御による高活性・高選択性の発現(JPCC 2014, Asian JOC 2017など)、特異な構造を有する担体合成による超高活性化(J. Mater. Chem. A, 2014など)を実現しています。

・高効率なバイオマス資源変換を実現する固体触媒プロセス開発

 バイオマス資源は再生可能でカーボンニュートラルであることから、持続可能な次世代資源としての活用が期待されています。しかし、低いLCA(ライフサイクル・アセスメント)が課題です。 固体触媒を用いた高効率プロセスの実現によるバイオマス資源利用の拡大を目指しています。例えば、常圧水素によるバイオ燃料製造プロセス(Catal Today 2014)、非可食性グルコサミン類からの 高品位化成品合成プロセス(ChemSusChem 2013)、高活性な酸-塩基反応プロセス(BCSJ 2012, ChemSusChem 2014, CS&T 2016など)を実現しています。

主な研究業績

  1. S. Nishimura, K. Ebitani: Selective oxidation of biomass-derived alcohols with supported metal catalysts. J. Jpn. Petrol. Inst., 60, 72-84 (2017).(総合論文: これまでの研究成果の一部のまとめ)
  2. M. Shirotori, S. Nishimura, K. Ebitani: Fine-Crystallized LDHs Prepared with SiO2 Sphere as Highly Active Solid Base Catalysts. J. Mater. Chem. A, 5, 6947-6957 (2017).
  3. S. Nishimura, K. Mizuhori, K. Ebitani: Reductive Amination of Furfural toward Furfurylamine with Aqueous Ammonia under Hydrogen over Ru-supported Catalyst. Res. Chem. Intermed., 42, 19- 30 (2016).

使用装置

触媒活性評価(GC, HPLC, GC-TOFMS, FTICR-MS, 液体NMR)
触媒構造評価(XRD, ガス吸着/ 脱着, SEM/TEM, XPS, 固体NMR, FT-IR, TPR/TPD, パルス分析など)
状況に応じて、外部の共同利用研究施設(KEK-PF, SPring-8など)で のXAFS 測定も行います。

研究室の指導方針

当研究室では、隔週の研究室ゼミ(研究進捗報告・ディスカッション)を行います。コアタイムは設けませんが、社会人生活に向け て規則正しい生活リズムを作って実験・大学院生活を送ってください。本学には様々な分析機器が共通設備として整備されており、 装置によっては専門職員からのサポートも得られる充実した環境が整っています。在籍中にこのサポート・分析体制を存分に活か し、自らのスキルアップを実現してほしいと思います。在籍中に得られた成果は、国内外での学会等で対外発表を行うことを推奨 します。また、修了生1人に対して1報以上の学術論文・国際会議プロシーディングス等を公開し、各学生の成果を残せるように努めています。

[研究室HP] URL:http://www.jaist.ac.jp/~ebitani/index.htm

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