修士論文が結んだJAISTとの縁

 20年近い間、主にフリーランスで科学技術分野の出版やPR、また研究評価のコンサルティング等に携わり、仕事のかたわら大学院に通い学位を取得しました。その後は、大学教員に転身して研究を継続しています。そもそもJAISTとの縁は、「産学官連携」に関する修士論文がネット上で梅本勝博先生の目にとまり、私の研究に興味があるとご連絡をいただいたのが始まりでした。研究室へのお誘いを受け、知識科学で博士号をとることは私の経歴に照らして非常にマッチしたものであると感じ、入学を決心しました。

 JAISTで学んだことは、その後のキャリアに直接的な好影響を及ぼしたと思います。現在勤務している、はこだて未来大学はシステム情報科学部のみの単科大学ですが、私はほぼ唯一の社会科学系教員として教養科目や社会情報系の分野を担当しています。このポジションを務められるのも、JAISTで情報科学と社会科学の融合領域で学び、情報を学ぶ学生にとって何が教養として必要かを把握できたことが大きいのです。文理融合の環境がもたらした恩恵といえるでしょう。JAISTは開学当初から縦割りの学問領域に縛られず、学生一人ひとりの問題意識を様々なジャンルに関連づけながら指導することをモットーとしています。今起きている社会変革を深く理解し、新しい社会システムをデザインしたいと考える人にとって、JAISTはうってつけの環境を提供します。それぞれの研究過程で情報技術を活用しようと思えば、それを助けてくれる先生も多く、コンピュータを用いた新しい方法論を試すことができるでしょう。研究の可能性を広げるこの環境を、多くの学生にうまく利用して欲しいと思います。

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