もっと学びたいと社会人を経てJAISTへ

 高等専門学校で電気工学を学び、コンピュータ関係に就職したのですが、仕事の中で自分にコンピュータサイエンスや情報工学についての知識が足りないと痛感したんです。もっと勉強したいとの思いで仕事を辞めて大学3年に編入し、さらにその先の大学院を目指そうという時に知ったのがJAISTの存在でした。当時は人間の脳に興味があり、関連分野の研究ができそうな知識科学研究科を志望し、藤波努先生の研究室で職人の技と呼ばれるような技能の習得についての研究に打ち込みました。

 入学して驚いたのは、知識科学研究科では約半数を文系出身者が占めていたことで、ずっと理系の世界にいた自分にとってカルチャーショックでした。理系の考え方では、物事を細分化し、小さな差異を追究していくものですが、文系の人間はもっと大きな捉え方をする。感覚や思考、論文の書き方まで違うため、当時は違和感を持ったものです。しかし今振り返れば“文理融合”の環境で多様な考え方に接したことは社会で生きていく上で非常に重要だったと実感しています。現在はIoT(Internet of Things)社会に関わる基盤技術、具体的にはビルソリューション等に取り組んでいて、再び理系の世界に浸っていますが、仕事の中で、大きな視点で物事を捉えられるのはJAISTでの経験が生きていると感じます。

 私自身社会人経験を経て入学しましたが、そういった多彩なバックグランドをもっている学生が多いのもJAISTの特徴だと思います。多様性に富んだ環境でたくさんの刺激を受けられる学生生活は、きっと後々の力になってくれるでしょう。

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