計算機システム・ネットワーク領域【金子研究室】
■集積回路とは?
集積回路は,情報・通信機器,制御機械・ロボットなどの頭脳部で,いろいろな信号処理・情報処理を行うものです。一辺が1センチメートル程の大きさの基板の上に数十ナノメーター程度の線幅でトランジスタ素子や配線が刻まれているのです。これは野球グラウンド一面を使って,0.5mmのシャープペンシルの芯でモザイク画を描くことに匹敵します。数千万〜数億個ものトランジスタ素子から成るこの頭脳部をどのように設計するか,これが私達の研究テーマです。
■集積回路システムの最適化・自動設計
集積回路の歴史は微細化の歴史,そしてそれに伴う高速化と大規模化の歴史でもあります。微細化と高速化により,配線を中心とした寄生素子がシステムに与える影響が顕在化してきています。より高性能な集積回路システムを設計するために,システムレベル,レジスタ転送レベル,論理レベルで,構造(接続関係)とレイアウト(位置関係)とを同時並行的に最適化する設計手法,最適化アルゴリズム等について研究しています。

計算アルゴリズムから最適化されたアーキテクチャを自動合成する |
■耐故障集積システム
情報機器,ロボットなどが社会のあらゆる場所に普及し,それへの依存度が高まるにつれて,集積回路システムの故障が人間や社会に重大な問題を引き起こすようになってきています。集積回路システムを高い信頼性を持って動作させるためには,故障検出・救済,誤り検出・訂正といった耐故障化の技術が必要になります。システム再構成,アルゴリズム冗長などの立場から耐故障化の検討を進めています。また,具体的アプリケーションに応じ,アルゴリズムレベルから回路レベルまでの冗長性を最適化する,耐故障計算処理システムの高位合成と計算機支援設計についても研究を行っています。

耐故障性を備えた超並列計算の例(行列積) |
■その他の研究
信号処理集積システム
通信,制御,マルチメディアサービス等の高度化を支える高速・高品位信号処理の理論,特に高速算法・緩和算法の自動生成を目指した研究を行っています。
連続値連続時間集積システム
非線形連続値連続時間系,いわゆるアナログ回路についてのシステム理論,最適化,自動合成について,定性推論などからのアプローチを検討しています。
■代表的な著書・論文
- K. Ohashi and M. Kaneko: Statistical Analysis Driven Synthesis
of Application Specific Asynchronous Systems, IEICE Trans.
Fundamentals, Vol. E90-A, No.3, pp.659-669, 2007
- T.Yorozuya, K.Ohashi and M.Kaneko : Assignment-Driven Loop
Pipeline Scheduling and Its Application to Data-Path Synthesis,
IEICE Trans. Fundamentals, Vol. E85-A, No.4, pp.819-826, 2002
- M. Kaneko : Reliable Data Routing for Spatial-Temporal TMR
Multiprocessor Systems, IEICE Trans. Information and Systems,
Vol. E84-D, No.12, pp.1790-1800, 2001