計算機システム・ネットワーク領域【丹研究室】
■研究室概要
パソコンの普及やブロードバンド接続の実現により,家の中までネットワークが入って来つつあります。しかし,これらの多くはオフィス用や研究用の技術の転用であり,一般の人にとってはむしろ,ネットワーク化,IT化されたばかりに今まで使ってきた日用品や家電製品が使いにくくなってしまう可能性すらあります。
我々は,家庭内の既存機器・設備の利用,ユーザーが持っている機器に対する概念の尊重,相互接続性の重視,といった観点から,従来とは異なったホームネットワーク,情報家電に関する研究を展開しています。
■プロジェクトの例
JAIST Video LAN
| 疑問: |
ビデオカメラがデジタルになったのなら,そのままデジタルのネットワークに接続できないの? |
| 解決: |
IEEE1394とATMの接続装置(家庭用はムリでも大学内ではつかえる価格のシステム)をつくろう。 |
| 成果: |
企業との共同研究により,開発した接続装置を商品化。大学等で広く使われるに至る。プロトコルは標準化団体に提出も,議論が盛り上がらず標準化ならず。Japan
Gigabit Networkにおける産業貢献賞を受賞。 |
異種ビデオネットワーク相互接続アーキテクチャ
| 疑問: |
映像と音声を流すという目的は同じなのにコンピュータ,放送,通信など,なぜ互いにつながらないの? |
| 解決: |
一番重要な基本的な部分を絞り込み,とにかく相互接続できるアーキテクチャをつくろう。 |
| 成果: |
通信・放送機構の産学連携プロジェクトに採択。VODサーバーからの映像を家庭用のDVデッキで視聴できたり,DV/ATMをDV/IPで受信できるシステムを開発。銀座ソニービルのロビーマルチスクリーンを全面借り切って商用のイベントを石川県から中継する実証実験も実施。 |
レガシーデバイスによるホームネットワーク
| 疑問: |
ネットワーク化された家電による便利な生活をするためには家中の家電を全部買い換えないといけないの? |
| 解決: |
十年前に買ったラジカセとテレビもネットワーク化できるシステムをつくろう。 |
| 成果: |
電灯線,アンテナ線といった既存の通信路の活用と無線を利用したネットワークを構成し,赤外線制御と各電器製品の有限状態機械モデル化技術により,古い機械でもネットワークで連携動作できるシステムを開発。現在,企業と実用化に向けて検討中。 |
■学外組織との連携
丹教授は学会におけるユビキタスや情報家電関係の研究会(情報処理学会 情報家電コンピューティング研究グループ,ユビキタスコンピューティングシステム研究会,モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会,電子情報通信学会 新世代ネットワークミドルウェアと分散コンピューティング時限研究会,実空間指向ユビキタスネットワーク時限研究会)の運営委員をつとめるとともに,産業界を対象としたフォーラム(情報処理学会 産業フォーラム(情報家電),日本能率協会 情報家電産業総合会議)などのコーディネイタを行なっています。また,(社)情報通信技術委員会,総務省情報通信審議会などの標準化組織で標準規格の制定や技術の解説書編纂などを行なっており,産業界との深いつながりを有しています。

IEEE1394-ATM接続装置
SONY TL-100として商品化 |
■代表的な著書・論文
- Scaling up IEEE1394DV network to an enterprise video LAN
with ATM technology,Proc. IEEE ICCE 98, 1998(IEEE1394-ATMの接続装置と,これを利用したビデオネットワークシステムの概要)
- ユビキタス技術−ホームネットワークと情報家電,オーム社,2004(ホームネットワークの標準技術等について解説)
- NetPrepネットワーク基礎,NetPrep LANイントロダクション,NetPrep TCP/IPネットワーキングアーキテクチャ他;WestNet
Learning Technologies(コンピュータネットワークの基礎講座シリーズwebコンテンツ)