人間情報処理領域【吉高研究室】
■研究概要
私たちが接する情報の量は年々増加しており,大量の情報の中から必要な情報を的確に探し出す仕組みの重要性はますます高まっています。人は多くの情報を視覚から得ていますが,例えば画像検索システムなどは依然として計算機側の都合に合わせた処理しか出来ていないと言わざるを得ないのが現状です。人の知的活動の質をより高く,効率的にするためには情報に対する人の見方,あるいはとらえ方に沿った処理をするシステムが求められているといえます。本研究室では,このような視点に立ち,主に動画像処理やそれに関わるインタフェースの研究を進めています。
■映像からの情報抽出とその応用
映像には様々な情報が含まれており,人が映像を見て受け取り,あるいは感じ取るような情報を計算機によって検出するためには,人の情報認識とは違ったアプローチをとることが有効なこともあります。映像に対して人が感じる内容,すなわち感性情報の抽出やそれに基づいた映像検索あるいはハイライト生成などにより,より効果的な映像情報へのアクセスを可能とする手法を研究しています。
編集技法からの感性情報抽出
映画などの映像では感性情報を表現あるいは強調するために様々な撮影,編集上の技法が使われています。そこで,これらの技法がどのように映像中で使われているかを検出することにより,色や特定の物体,あるいは人物の有無ではなく,感性的なキーワードでの内容検索を可能としています。
撮影技法からの感性情報抽出
感性情報を表現あるいは強調するために撮影技法にも工夫が凝らされることがあります。その1つとしてパンやズームなどのカメラ操作があります。映像処理によりカメラ操作が施されている区間やその種類,操作パラメタを検出し,そこで強調されている感性情報を抽出します。
ハイライト映像生成等への応用
このようにして感性情報を抽出し,感性表現の視点から映像の重要性を判定し,たとえば印象的な場面を含むハイライト映像の生成や感性情報の視覚化に基づく映像ブラウジングへの応用を試みています。
■実世界情報の構造化
私たちが日常の生活で見聞きする情報を保存しようとする場合,ディジタルカメラで情景を撮影したりします。しかしそれだけではその内容に関するインデクス情報は生成されませんから,大量の情報がある場合,特定の情報あるいは相互に関連する情報を検索するのは容易ではありません。
これに対して,人が情報を獲得している際の眼球運動などの振る舞いから,どこに,どのように傾注しているかを検出し,人がその情報をどのように捉えたのかという観点から情報を構造化する手法を研究しています。それによりデータベース化した実世界情報へのアクセス性を高めることを目指しています。

映像からカメラワークとそのパラメタを抽出するシステム
■代表的な著書・論文
- A. Yoshitaka,K. Wakiyama and T. Hirashima, "Recommendation
of Visual Information by Gaze-Based Implicit Preference Acquisition, " Advances
in Multimedia Modeling, Lecture Notes in Computer Science 4351,
pp.126-137, 2007
- 吉高,松井,平嶋,“カメラワークを利用した感性情報の抽出”情報処理学会論文誌,Vol. 47, No. 6, pp.1696-1707,
2006
- A. Yoshitaka, Y. Hori, and H. Seki, "Digital Reminder:
Real World-Oriented Database System," EURASIP Journal
on Applied Signal Processing, Vol. 2004, No. 11, pp. 1663-1671,
2004