ikeda lab

ぷよぷよにおける定型連鎖の構成法:JAIST池田研

背景と目的

 長い間,市販のぷよぷよのAIは6連鎖程度しかしてこない弱いもので,中級者には物足りないものでした. 本研究室の池田が10連鎖程度できるプログラムを過去に公開しましたが,その連鎖は人間の作るものとは 異なり,また効率も悪いものでした(上図右).
 そこで,人間が作るような定型連鎖(同左)を作り,より強く,また対戦して楽しいような AIを作ろうというのが本研究の主たる目的です.

アプローチと結果概要

 まず,構成したい定型連鎖について,「どのぷよとどのぷよは同じ色であるべき・違う色であるべき・どちらでもよい」 などの情報を半自動で抽出するプログラムを作りました.その上でプレイ時には,3手先までの全ての可能性を読み, 構成したい定型連鎖の要件をより良く満たすような手を選択するようにしました.
 このとき,複数の定型連鎖を用意して達成しやすいものを選べるようにしたり,定型連鎖の基本部分となる 早く組みたい場所を優先して選択できるような工夫も行っています.

 その結果,ただ綺麗な連鎖が組めるだけでなく,作成できた連鎖数は従来法に比べて 1.5 も大きくなりました(図左). これは,定型連鎖は有効にスペースを使うため,そこからさらに連鎖を伸ばすことが可能だからです. 図右は実際に組まれた15連鎖の例です.左下部の定型連鎖8連鎖分に加えて7つ伸びていることが分かります.

研究担当者,業績,リンク等

・本研究は富沢大介(2014卒)と池田心が主に担当しました.
・本研究は研究会論文,ジャーナル,国際会議論文が採録されています.
 - 富沢大介,池田心:
  落下型パズルゲームの定石形配置法とぷよぷよへの適用
  情報処理学会論文誌,Vol.53, No.11, pp. 2560--2570, 2012-11.
 - Kokolo Ikeda, Daisuke Tomizawa, Simon Viennot, Yuu Tanaka:
  Playing PuyoPuyo: Two Search Algorithms for Constructing Chain and Tactical Heuristics,
  IEEE-CIG2012, pp. 71-78, 2012-09.
・本研究では学術用にターン制ぷよぷよを用いています.プロジェクトページは【こちら】です.