小谷研究室 研究内容紹介

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形状特徴SIMSに基づく3次元画像の角構造解析
北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報処理学専攻
像情報処理学講座 入山 彰夫
■ 研究目的−離散空間上に表された物体の角の評価−
レンジファインダやCTスキャナ等の3次元測定器の普及により,CADやCG,医療などの分野においてボリュームデータの利用機会はますます増加している.これに伴い,ボリュームデータを対象とした形状認識や,形状特徴に基づく画像検索手法が求められている.
この目的を達成するためには,ボリュームデータから何らかの形状的特徴情報を求める必要がある.しかし,ボリュームデータは膨大なデータ量を持ち,また3次元形状そのものも形としての複雑さを持つため,こうした特徴情報を求める事は容易ではない.このため,これまでに様々な解析手法が研究されている.これを以下にまとめる.
 A) 幾何学量を比較する手法
 B) 位相幾何学量を比較する手法
 C) 基本形状の集合で近似表現された物体のパラメータを比較する手法
 D) 階層的に表された物体を基に段階的に比較する手法
形状的特徴を表す情報には様々なものがある.中でも頂点や稜線は形状表面を形成する基本要素であると同時に形状の意匠を表す重要な要素である.しかし形状認識を目的とした従来手法では,頂点や稜線による形状評価に関する検討はほとんどされていない.この理由は,離散空間において頂点や稜線の一般的な定義が無く,特徴情報として求めて評価する事は困難なためである.
頂点や稜線の評価が困難な理由として次の2点を挙げる.第1に,連続空間中における曲線と角を含む直線は,離散空間においてその差が明確ではない事.第2に,頂点と稜線により構成される形状の角は,同じ角であっても局所的に見た場合と大局的に見た場合とでは評価が異なる事である.この例を次に示す.
連続空間での線の違いが離散空間上に現れない例
同じ角の部分であっても大局的に見た場合と局所的に見た場合とで評価が異なる例
このため離散空間上に表された物体の頂点や稜線の評価を行うためには,頂点や稜線により構成される形状の角を階層的に評価する事が必要である.しかし従来の研究では,角の評価を階層的に行う手法についての検討はされていない.よって本研究では物体の角を階層的に評価する手法の検討を行った.

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■ 映像メディア処理シンポジウム IMPS2001(平成13年11月12日・13日・14日)
[モルフォロジー演算を用いた3次元形状の構造解析]
入山彰夫,剣持雪子,小谷一孔(北陸先端科学技術大学院大学)
 ・原稿PDF(940KB)
 ・補足資料:形状変化によるスケルトン・位相広がり空間の変化(animation GIF.121KB)

■ PRMU2002 (平成14年1月17日・18日)
[モルフォロジカルスケルトンによる3次元形状の構造解析]
入山彰夫,剣持雪子,小谷一孔(北陸先端科学技術大学院大学)
 ・原稿PDF(1345KB)

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