「ビジュアルなインターフェイスはとても大事。例えば人間が手でグラフを描くときには、交差させないとか、対立する概念を水平に置くとか、そういうことを自然にやりますよね。それと同じことをコンピュータにさせる方法を考えています」。
コンピュータによいグラフを描かせる一つの方法として、ばねの伸び縮みや磁針の回転力、また電荷の間に働く力などをベースにした仮想物理モデルをグラフ描画に応用するという研究が行われている。自然界の力である物理現象をアルゴリズムに生かすことで、人間にとってより分かりやすい図が得られると考えられている。
(a, b, c)(b, c, e)といった情報をコンピュータに与えてやると、与えられているそれぞれの要素の情報の相関や力関係によって、それぞれがばねに弾かれたり引かれるようにして移動し、ある位
置に止まる。ただそれだけでは理解しにくいので、交わらないような情報を与えたり、グループ分けしたり、複雑さのレベルによってレイアウトを変えるといった研究が行われている。 |
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人間にとって親しみやすいグラフは、人とコンピュータを結ぶ最も基本的かつ効果
的なビジュアル・ヒューマン・インターフェイスである。情報や知識を効率よく“見て・考えて・さわる”ことから、人間とコンピュータの柔軟なコミュニケーションが実現し、新たな知識が創造されることだろう。 |