発表者:原田哲治 (櫻井研) タイトル:免疫ネットワークのシミュレーション アブストラクト: 免疫系に見られる自己・非自己の認識,自己寛容,免疫学的記憶などの特異な現 象を,イディオタイプ・ネットワークに代表される免疫ネットワーク・システ ムから理解しよう,という試みが古くからなされている.本研究では,Harada らによって提案された,shape-space モデルに親和度という概念を組み合わせ た免疫ネットワーク・ダイナミクス・モデルをもとに,1抗原投与時に観察さ れる抗原に特異的に反応する現象を計算機シミュレーションで追試・確認す る. さらにシミュレーションを拡張して,自己抗原,外来抗原を想定した2つの抗 原をネットワークに投与する実験を行なった.その結果から,双方の抗原量に よってはネットワークがカオスからリミット・サイクルに陥り,双方の抗原に 対するネットワークの親和度が特異な挙動を呈する,という現象を報告する.