発表者:上田悟司(橋本研M2) タイトル:日本型雇用慣行の歴史的発生と進化 アブストラクト: 現代の日本企業で広範に観察される雇用慣行 である終身雇用、年功賃金、企業別組合、等は、 様々な歴史的経緯から生み出され、結果として 洗練、定着化してきたものである。従って、比較 制度分析(CIA)グループの主張するように、 個人の(限定)合理的な行動の累積としてのみ 現在ある訳ではないし、また戦時体制下(1945 年の敗戦に至るまでの約10年間)において 試みられた制度改革を直接の起源とするもの でもない。本報告では、日本型雇用慣行の 誕生とその経緯を進化過程として見直したうえで 歴史的概観を行う。また、可能な範囲でその過程を 主体の行動資源(resource)としての習慣・ルール・ 制度、という概念で整合的に説明できるか、も 試みたい。