発表者:明瀬郁郎(中森研M2) タイトル:バイオマニピュレーションによる湖沼の水質改善の可能性 アブストラクト: 湖沼に出現する植物プランクトンの現存量は,窒素やリンの負荷量に依存 するほか,動物プランクトンやプランクトン食魚による捕食圧の影響を受ける。 湖沼の水質予測のためには,プランクトン群集内またはプランクトン群集と それら捕食者との相互関係を明らかにし,栄養以外の有効な説明変数を 特定したモデルを作る必要がある。最近,食物連鎖の最上位者(top predator) である魚食魚やプランクトン食魚の投入や除去により,動物プランクトンや植物 プランクトン量を制御するという,「バイオマニピュレーション」技術を,富栄養化 湖沼の水質改善に役立てようとする試みが北米や西欧,日本でも行なわれる ようになってきた。今回,フィールドにおけるバイオマニピュレーション実施例を 紹介するとともに,水質予測モデルへの応用についても触れてみたい。