発表者:並川淳(橋本研M2) タイトル:ルールの動的な変化を記述するための力学系の構築 アブストラクト: 本発表では、ルールを表現する関数自体が動的に変化する力学系の構築に関する現時点 でのアイデアと、本研究の理論的な基礎となる高次元圏論について紹介する。 複雑系の分野では、生命の進化や発達といったルールそのものが動的に生成、変化する 系を対象とした研究が行われている。このような系をモデル化する場合、要素の数や要素 の集まりの大域的な振る舞いが動的に変化するという性質を表現する必要がある。しかし 従来の力学系には、系の自由度が一定、状態を変化させる関数自体は変化しないなどの制 約があり、状態の変化を表すルール自体が変化するような系を記述することは困難である。 よって系を表現する関数自体が動的に変化するような力学系を構築することで、複雑系 の分野で研究されているような系の記述が可能になり、複雑系に対する深い理解が得られ ると考えられる。 参考文献: [1]辻下徹「豊饒圏と高次元圏入門」北海道大学大学院理学研究科講義(http://fcs.math. sci.hokudai.ac.jp/doc/announce/am97.html) [2]辻下徹「高次元圏論入門」北海道大学大学院理学研究科講義(http://fcs.math.sci.ho kudai.ac.jp/doc/announce/am98.html) [3]John C.Baez, An Introduction to n-Categories(http://math.ucr.edu/home/baez/nc at.ps)