発表者:横田恭宣@小長谷研 タイトル:研究&論文紹介   Quantification of Short Term Signaling by the Epidermal Growth Factor Receptor   Boris N.Kholodenko,OlegV.Demin,Gsela Moehren,and Jan B. Hoek   THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY Vol.274,No42, Issue of October 15,   pp.30169-30181,1999   上皮成長因子リセプター(EGFR)による短時間シグナル伝達の定量化 アブストラクト:   過去10年間、成長因子シグナル伝達を含む分子メカニズムの知識は爆発的に増えて   きた。しかし、シグナル伝達ネットワークを通した情報伝達のキネィティクスや制御   は理解されないままであった。本論文では単離された肝細胞において、上皮成長因   子(EGF)に対する細胞応答の短時間パターンの実験的なキネティクスの分析とコンピュー   ターでモデル化したものを統合した。実験データはEGFリセプター(EGFR)のチロシン   リン酸化と、EGFRによる複数の標的シグナルタンパクにおける一過性あるいは持続性   の応答パターンを示している。一過性の反応は明らかな最大値を示し、EGF刺激   の12-30s以内で到達し、比較的低いレベル(半定常状態)に減衰した。先に述べたこ   ととは対照的に、我々は実験的に観測された一過性は、特異的なチロシンホスファター   ゼのリセプターを介しての活性化、続いておこるEGF刺激を要求せずに説明できると   いうことを立証する。キネティックモデルは、細胞応答が活性パターンのどのような   状態で、一過性か持続性かをコントロールされているかを予測している。EGFRシグナ   ル伝達のパターンは、実験的に測定された範囲内で多くの基本的な速度定数における   変動に関して強いように思われる。一方、我々はキネティックスキーム、速度定数、   シグナル伝達に含まれる分子の総量、これらのどの変化が、実験的に観測されたシグ   ナル交換のキネティクスに一致しないのかを特定する。成長因子に応答するシグナル   伝達のネットワークを定量化することによって、我々は細胞が成長と分化を支配する   情報をどのように処理するのかを推定することができた。