日時: 1/17 15:00〜 場所: 知識2棟8Fセミナー室 ** いつもと違います!! ** 氏名: 中村 誠 (情報科学研究科東条研D2) 題目: 研究報告:マルチエージェントを用いた人工クレオールの創発 概要: これまでの発表論文をもとに,研究内容を発表します. 言語獲得機構を持ったエージェント間のコミュニケーションにより 現実世界で発生している言語現象を摸倣できるかについてです. 論文からの引用: 計算機を用いた文法獲得の進化過程に関する研究は近年広く報告されている. その多くはエージェント間のメッセージ交換を通じて他のエージェントが用い る文法を獲得することにより,言語進化の過程を調査するというものである. しかし,これらの研究の多くはモデルが抽象的であるため,現実世界で発生す る言語現象を摸倣しているとは言い難い.そこで,Nowak らはこの枠組みの中 で,普遍文法から導出された言語の進化理論の一般化を行った.本稿では彼等 の理論を基にクレオールの創発に関する言語進化のモデル化を行う. 実験ではエージェントの文法獲得に inside-outside アルゴリズムを用いる. inside-outside アルゴリズムとは EM アルゴリズムの一種であり,自然言語処 理の分野で教師なし学習によりコーパスから文法を獲得する手法として用いら れているアルゴリズムである.結果として複数の言語から創発したクレオール は,元の文法の類似性よりも,コミュニティの中でのその文法話者の人口に大 きく影響を受けることが発見された. 関連論文: エージェント合同シンポジウム(JAWS2002) http://www.jaist.ac.jp/~mnakamur/ds2002/jaws2002_creole.ps The 5th International Conference on Discovery Science (DS2002) http://www.jaist.ac.jp/~mnakamur/ds2002/creole8p.ps 認知科学会ジャーナル(採録決定済み、採録年月未定) http://www.jaist.ac.jp/~mnakamur/apidgin/apidgin.ps