担当:真隅 暁 日時:2004.3.18 木曜日 14:00- 場所:知識3棟2階小スペースゼミ室 内容:論文紹介 [Harnad, S., The symbol grounding problem, Physica D, 42: 335--346, (1990)] と研究計画について 概要 はじめに論文紹介を行う。 この論文では、記号接地問題について議論している。記号接地問題とは、 ・形式的な記号系の意味解釈が、どのようにしてそれぞれの記号系固有のものとなるのか? ・ある意味解釈が、どのようにして他の記号ではなくある特定の記号に接地(対応)させら れるのか? という問題である。これは、Searlによって提案された「中国語の部屋」の問題と 類似している。この問題を解決するために筆者は以下のように議論を進める。 1.記号系について定義する 2.記号をいくつかの種類に分類する(iconic, categorical, higher-order symbolic) 3.これらの分類と、分類された記号が接地される過程とを合わせて考えて、それを実現 するような仕組みを考察する。 この仕組みの候補として筆者は、古典的な記号処理的アプローチではなく、記号的な処理と 非記号的な処理の混成物的と考えられるニューラルネットを用いたアプローチが有効である、 と述べている。 次に、今後の研究計画について現時点で考えていることを発表する。