担当:竹石 日時:4/13(木)15:30〜 場所:知識2棟4階セミナー室 内容:論文紹介 Paul G. Higgs, "The mimetic transition: a simulation study of the evolution of learning by imitation," Proc.R.Soc, (2000) 概要: この論文はミーム-遺伝子共進化のエージェントモデリングを行っているもので ある。 今回のゼミでは、そのモデリング手法について議論したい。 論文アブスト: 文化的に伝達されるアイディアやミーム(memes)は初期の人類の生き残りや生産 力に大きな影響をもたらしたに違いない。 より優れた食糧の獲得や道具・衣服および住居の製作の技術は多大な進歩をもた らしただろう。 なぜ人類が他の種と比べ異常に大きな脳と高い認知能力を持つのか?という疑問 に対し、ミームという概念の導入により、 脳は模倣能力が選択されていくことにより進化した、と説明できると提案されて いる。 本稿では、文化的に伝達されるミームが個体の適応度に正負両方の影響を与えら れる環境における個体集団の進化モデルを構築した。 その結果、模倣能力を高めるように働く遺伝子が選択的に好まれる結果が得られた。 このモデルは、ミームが病気の流行のように拡大できるようになるmimetic transitionが起きるまでは模倣能力が徐々に増加するを予見する。 この時点で、模倣能力、個体あたりの所有するミーム数、そして集団の平均適応 度の劇的な向上が見られる。 そして、模倣能力向上につながる選択はいくつかのケースで脳の巨大化に逆らう 選択に打ち勝つことができる。