担当:田村 香織 日時:3/10 (木) 10:00 場所:コラボ2(おそらく) 内容:超越性を可能にしている仕組みとしての「刺激等価性」 概要:今まで、超越性を可能にしている認知能力として、物体の永続性を考えてきたが、    「推論」に係わる能力についてはまだ具体的には考えられていなかった。    今回、その推論に相当するものとして、「対称性推論」を挙げ、「刺激等価性」の成立という観点から    超越性を捉えてみようと思う。    まず最初に「刺激等価性」とは、A,B,Cという3つの刺激において、A→B,B→Cを学習したときに、    直接は学習していないB→A,C→B,A→C,C→Aという4つの関係が成立することである。    このうち、B→Aのように学習したのとは逆方向の関係が成立することを「対称性」という。    対称性はヒト以外の動物では成立が難しいことが確認されており、このような関係を推論できること、    すなわち「対称性推論」の能力がヒトでは強く働いていると考えられる。    この対称性に加え、比較的ヒト以外の動物でも見られる推移性推論(A→C)が働くことでC→Aの関係も成立し、    刺激等価性が成立する。    現在、「ことば」「実物」「概念」という3つの刺激の間で刺激等価性が成立することが    超越性が成立している段階であると考え、成人における刺激等価性の成立を調べた実験を参考に、    超越性を調べるための実験の枠組みを考えている。    この部分はまだ生煮えであるので、そう考えることの妥当性や、そのような枠組みが超越性を調べるのに    有効であるかについて、議論を通じて検討していきたい。 Presenter: Kaori Tamura Date & Hour: 11 March (Fri) 10:00-- Title: "Stimulus equivalence" as a mechanism which enables "displacement"