担当:金野 武司 日時:5/19(木) 15:30- 場所:コラボレーションルーム2 内容:共同注意発達の通時的調査についての論文紹介 乳幼児に観察される共同注意の発達は6ヶ月程度から始まり,その興味深い 過程は3歳頃まで続くと言われている.共同注意という行動は,操作的には 他者の視線方向に自らの視線を向ける行動と定義されているが,乳幼児の 社会参加に重要なのは,視線を介した他者とのインタラクションにおいて, 意図のような内的表象を共有するようになることだと指摘されている. こういった発達過程を調査するため,今回紹介する論文では応答的な 共同注意の行動だけではなく,自発的に相手を巻き込むような教導的な 共同注意行動の発達を,9〜24ヶ月に渡って通時的に調査している. また,共同注意に関する行動指標が,その後の言語獲得をどの程度 予測するのかを調査している点が興味深い. この論文が示している共同注意行動の発達パターンは,乳幼児の内的な 意図共有に関するメカニズムを検討する私にとっては非常に重要な知見 であると共に,コミュニケーションに関する研究を進めているメンバに とっても有益な示唆があるのではないかと思う. 紹介論文: P. Mundy, J. Block, C. Delgado, Y. Pomares, A. Van Hecke, and M. Parlade. "Individual differences and the development of joint attention in infancy." Child development, 78(3): 938-954, 2007. 論文のダウンロードはこちらから: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1467-8624.2007.01042.x/pdf