担当:真隅 日時:6/3 (金) 15:30- 場所:5Fコラボ2 内容:論文紹介 紹介論文: Iain D.Couzin, Jens Krause, Nigel R. Franks and Simon A. Levin, "Effective leadership and decision making in animal groups on the move", Nature vol.433, 3, pp.513-516, 2005. 論文入手先:http://www.nature.com/nature/journal/v433/n7025/full/nature03236.html 概要: 動物の集団的な採餌行動などにおける集団内への情報伝搬メカニズムについて, シミュレーションを用いて検証した研究. 特に,各個体が明示的なシグナルを発することなしに,かつ,どの個体が情報 (餌の場所など)を認識しているのかが不明な状況を想定した上で,(1)いかに して集団内に情報が伝搬し得るか,(2)情報を認識している個体に選好の差異が ある場合,集団はいかにして合意に達し得るか(集団としてのまとまった挙動 が実現されるか)を問うている. この問いに対し,各個体が近くの個体の位置ベクトルのみを認識して自身の移 動方向を決定するモデルを立てている. シミュレーションの結果からは,(1)上記のメカニズムのみで効率的な情報伝搬 が可能であること,(2)正確な決定のためには,情報を認識している個体の割合 は,集団サイズに比してごくわずかで十分であることが示されている.また, 集団を先導する個体は,大きさなどの個体差に依らず,各個体が持っている情 報の差異のみに依存して自発的に決定され得るということがわかった.