担当:山田 広明 日時:11/19(月)15:30- 場所:コラボレーションルーム2 内容: 論文紹介 "Dynamic social networks promote cooperation in experiments with humans" 概要:  人間は大規模な社会集団のなかで,高度に協力的な振る舞いをする. また,その社会集団は構造化され,関係性は刻々と移り変わる動的なものである. このような現実的な状況を想定し,そこでいかにして協力行動が維持されるかは 理論的には検討されてきたが,実証的にはあまり研究されていない. 本論文は,理論モデルからの予測を確認することを目的に,協調ゲームを設計し, Online labor market (Amazon Mechanical Turk)で被験者を集めて,大規模な被験者実験を実施した.  実験から,取引をする相手を戦略的に変えられる条件(ネットワーク切断したり・作ったりできる条件)でのみ, 集団の協力行動が維持されることを確認した.これは理論モデルからの予測と一致する. また,実験では次の二つの傾向が確認され: (1)優先的に裏切り者とのリンクを切断し,協力者とのリンクを作る傾向がある (2)リンクが切断された裏切り者は.次に協力行動を行う傾向がある 著者らは.これが大集団での協力行動を維持するメカニズムとして働いていると主張する. これはしっぺ返し戦略などの,よく知られている協力行動維持の対応行動とは異なるものである.  最後に,私の関心との対比で,本モデルが想定してる状況の不自然さを何点か指摘し, 更に考えるべき点について述べたい.具体的には,ネットワークのつなぎ替えが低い頻度でしか起こせない時に, 協力行動が維持されるメカニズムこそ考える必要があると考える. 論文:"Dynamic social networks promote cooperation in experiments with humans", Rand, D.G., Arbesman, S., Christakis, N.A., (2011), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 106:1720-1724. PDF: http://www.pnas.org/content/early/2011/11/08/1108243108 Speaker: Hiroaki Yamada Date&Hour: 19 November (Mon) 15:30- Place:Collaboration Room 2 Title: Paper review "Dynamic social networks promote cooperation in experiments with humans"