担当:楊 洋 日時:3/14(木)12:00〜 場所:コラボレーションルーム2 内容:研究計画の発表:上海銀行間取引金利の決定・進化メカニズム ―エージェント・ベース・シミュレーション研究― 銀行間取引金利は銀行間取引市場(インターバンク市場)で 銀行同士が日々の資金を融通し合う際の取引金利のことをい う。2007年、中国人民銀行(中央銀行)が上海銀行間取引金利 (SHIBOR)を導入した。この五年間、SHIBORが中国の貨 幣市場における最も重要な基準金利になった。そして、将来 の人民元の金利市場化の過程に重要な役割を果たすとも考え られている。 しかし、制度の未熟により、SHIBORにはいくつかの問題点 がある。その一つは成熟なプライシングモデルが少なく、ま た、報告銀行は報告した金利によって取引する義務がないた め、SHIBORが常に急激に変動する。もう一つのは短期の SHIBOR(3ヶ月以下物)はコール・レート、レポ・レート などの変動と段々一致してきて、市場に認められたが、中長 期のSHIBOR(3ヶ月以上物)は、現実の取引が少ないため、 市場の流動性ポジションが十分に反映できず、金融市場に認 められない。 本研究は、インターバンク市場のシミュレーション・モデル を構築して、銀行の行動に適応型学習モデルとしての「仮想 プレイ」を導入する。データの分析を通じて、銀行の行動進 化のメカニズムとSHIBORが急激に変動する原因を明らかに する。