担当:藤原 正幸
日時:2016/1/29(金)14:00-
場所:コラボレーションルーム3
紹介論文:"Relationships between the resting-state network and the P3: Evidence from a scalp EEG study"
 
概要:P3(P300)は,人間の脳の認知過程に関連した神経活動を同定するために用いることができる重要な事象関連
電位である.しかしながら,静止状態(resting-state)の脳活動とP3の間の関係性,特に機能的な相関は十分に確立
されていない.そこで紹介する研究では,安静状態の脳のネットワークとP3の特性(振幅と転送遅延時間)の間の関
係性を調べている.その結果,P3の振幅と安静状態のネットワークの間の相関は有意に強い一方で,転送遅延時間と
の相関はそうではなく,違いが見受けられた.安静状態のネットワークが非常に効率的である場合,そのネットワー
クは,潜在的に大きな振幅及び短い転送遅延時間でP3をもたらすようなタスク中で,より効率的な情報処理を提供す
ることができ,実験内でもより大きなP3の振幅が誘発された.また,前頭葉前部/前頭葉と頭頂部/後頭部の脳領域
間の長距離の強いネットワーク接続が見られた.これは先行研究における結果と一致しており,前方および後方領域
の間の同期が認知課題における情報処理と転送に重要な役割を果たしていることを示唆している.

自分の研究でも今後機能的な脳のネットワークの解析を考えており,
得られた全体の機能的な脳のネットワークの構造と既存の先行研究の知見を組み合わせたような解釈を紹介論文は
していると感じたので紹介します.

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論文:
Fali Li, Tiejun Liu, Fei Wang, He Li, Diankun Gong, Rui Zhang, Yi Jiang, Yin Tian, Daqing Guo, Dezhong Yao & Peng Xu,
"Relationships between the resting-state network and the P3: Evidence from a scalp EEG study",
Sci. Rep., Vol.5, No. 15129, 2015; doi: 10.1038/srep15129
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