知識メディア創造教育コースの案内
 
知識メディア創造教育コースの目的
   
    知識科学教育研究センターは,本学の学内共同教育研究施設の一つとして平成10年4月に設置されました.
平成16年度から開始された知識科学教育研究センター中期計画の一環として,平成17年4月から新たに知識メディア創造教育コースを開講しました.
開講の目的は,21世紀をサバイバルするための知識創造,メディア創造に関する方法論,技法,技術およびノウハウを修得し,企業・研究所等の即戦力となる優秀な人材の輩出を目的としています.
 
知識メディア創造教育コースの概要
   
1. 開始時期
    コースの開始時期は各期(1の1〜2の1期)の始めからとします.
どの期から履修を始めてもかまいませんが,原則として,2年以内に所定の単位を修得して下さい.

2. 対象者
    下記の身分により本学に在籍する者とします.
  (1) 前期課程学生
  (2) 後期課程学生
  (3) 科目等履修生
  (4) 特別聴講学生

3. 履修手続
    各科目の履修手続きは各期の履修登録期間内にWeb上で登録してください.
また,コース修了を目指す学生はコース登録手続きを定められた期間内に教育支援課で行ってください.

4. 開講科目
   
分野
記号
授業科目名
開講時期
単位数
知識メディア創造基幹講義科目
C211
知識創造システム方法論
1-2
2
C221
メディア創造システム方法論
1-2
2
知識メディア創造専門講義科目
C411
知識創造論
1-1
2
C421
メディア創造論
1-1
2
C431
メディア・インタラクション論
1-1
2
知識メディア創造先端講義科目
C611
先端知識創造特論(隔年開講)
2-1
2
C621
先端メディア創造特論(隔年開講)
2011年度は開講しない
2

5. 修了要件
    原則として,2年以内に上記コースの基幹講義科目・専門講義科目・先端講義科目を含め,3科目6単位以上を修得することにより,コースを修了したものとします.

6. 修了証書
    所定の単位を修得した者に対しては,コース修了証書を発行します.

7. 修得単位の取扱い
    本学前期課程又は後期課程に在学する学生が,上記科目を修得した場合の単位の取扱いについては各研究科で定めるものとします.

8. 授業概要
  (1) 知識メディア創造基幹科目
   
授業科目名
担当教官
授業概要
知識創造システム方法論 西本
本講義の目的は2つある.第1は,ネットワークを利用したアプリケーションシステムを構築する技術を身につけること,第2は,知識科学教育研究センターが提供する「知識創造支援システム」を利用した知識創造環境の構築技術を身につけることである.知識創造支援システムは,「いつでも,どこでも,誰でも」知識棟内にいれば知識創造に参画できるユビキタスな知識創造環境を実現するために必要となる各種機材(位置情報システムや電子掲示板システム等)で構成されている.最終的には,これら2つの技術を活用し,自分なりの知識創造環境を実装できるようになることを目指す.
メディア創造システム方法論 山下
本講義では,「仮想世界と実世界をシームレスに融合するメディア」を構築するための技術習得を目的とする.この技術は,Tangible Bits や実世界指向コンピューティング,ユビキタス・コンピューティングなどの研究分野における新たな情報メディアの研究開発や,近年急速な発展と普及を見せているメディア・アート分野における新たな作品制作のために必要となる.具体的には,PICマイコンを中心とした小規模なハードウェア・デバイスの製作方法,およびそれらデバイスとPCを連携して利用する手法を,演習を通して体験・習得する.また,それらの設計・製作に必要となる電子デバイス等の基礎知識を習得する.
  (2) 知識メディア創造専門科目
   
授業科目名
担当教官
授業概要
知識創造論 國藤
三村
知識創造の方法論を創造科学という観点から学ぶ.創造的問題解決における人間の思考プロセスは発散的思考,収束的思考,アイデア結晶化,アイデア評価・検証にあることに着目し,それらを促進する各種創造技法を学ぶ.それら創造技法を駆使し,自らの主テーマに関する問題提起,現状把握,本質追究を経て,主テーマに関するプロポーザル作成を標準課題とする.プロポーザル作成に当たって,創造的問題解決プロセスの各プロセスを支援する発想支援ツール,グループウェアや知識システム研究開発の現状を学ぶ.それらは合意形成支援システム,アウェアネス支援システム,深い感性伝達システムを含む.これらの学習を活かし,課題発表を行い,プレゼンテーションやディべート,レポート作成の訓練をする.
メディア創造論 宮田
椎尾教授(お茶の水女子大)
メディアによる様々な創造技法とインターフェイスを体系的に説明し,メディア創造を概観する.具体的には,静止画メディアとしてのデジタル画像の仕組みや表現の可能性,CG映像の技術や制作過程など,各種デジタルメディアコンテンツの各要素について講述する.また,人と人工物のインタラクションに関して考察し,使い易い道具,使いにくい道具を分析する.つづいて,実世界のものとのインタラクションを利用した実世界指向インタフェースの考え方とその応用例を紹介し,さらに,現在コンピュータ利用の大きな流れとなっているユビキタスコンピューティングについて述べ,そのためのヒューマンインタ フェース手法とアプリケーションについて紹介する.
メディア・インタラクション論 西本
小倉
計算機等によって構成されたメディアと人の相互作用,およびメディアを介した人と人の相互作用は,CHIやCMC等の分野で非常にホットな研究対象となっている.本研究科において実践されている,知識創造を支援するメディアに関する取り組みの多くも,メディアと関連する相互作用を内包しており,これらに関する研究を避けて通ることができない.そこで本講義では,これらの相互作用を扱った研究事例をもとに,メディア・インタラクション研究の最前線を概観しつつ,この分野の研究をどのように考え,進めていけばよいのかについて議論する.さらに,実際に研究を進めるにあたり不可欠となる基礎的研究手法として,談話分析手法および会話分析手法について,実習を通じて講義する.
なお,2007年度K445メディア・インタラクション論の単位を取得した学生は,これをC431の単位とみなして知識メディア創造教育コースの修了単位に数えることができる.また,2007年度K445メディア・インタラクション論の単位を取得した学生は,C431を履修しても新たな単位としては認定されないので注意されたい.
  (3) 知識メディア創造先端科目
   
授業科目名
担当教官
授業概要
先端知識創造特論 金井
野間客員教授(ATR)
ほか
現在,知識社会を実現するために,知識創造を促す様々な研究開発(支援手法,支援システム化技術など)が活発に行われている.講義の目標は,次世代知識創造を探求することである.講義では,「知識創造」に関わる国内外の研究開発事例から,次世代の知識創造に関してその支援手法や実現方法を中心に議論する.具体的には,講師陣による最新の研究動向の紹介(知識科学研究科および知識科学教育研究センター,富士通研究所やATRで行われている研究や内外機関の研究)の他に,受講生自身による研究事例紹介を行う.それらを材料にして,「次世代の知識創造」を探求する.
先端メディア創造特論 宮田
永井
野間客員教授(ATR)
小泉客員准教授(ATR)
デジタルメディアを主とした先端的表現の技術や知識を習得することを目的とする.計算機を用いた創作の研究動向およびデザイン発想におけるメディア創造のありかたを示し,デザインと情報科学・工学の接点の研究を実施するために必要な知識・技術を修得する.また,CGやデジタル映像など,視覚情報に関わるデジタルメディアの要素技術の特性を理解するとともに,デジタルメディアによる表現の手法やデザイン,技術の応用の場や表現形態の将来像などを探求する.さらに,先端的なメディアに照応した感性表現の特徴を理解し,コンセプトメイキングから評価まで,デザインやアートの諸分野におけるメタレベルでの創造プロセスを組み立てる.
  
お問い合わせ先: kscenter@jaist.ac.jp