水田 博 研究室

水田 博 教授

環境・エネルギー領域
水田研究室 水田 博 教授

ハイブリッド・ナノエレクトロニクスとアトムスケールデバイスの探索

水田研究室では、ハイブリッド・ナノエレクトロニクスとアトムスケールデバイスの探索に取り組んでいます。私が英国サザンプトン大学の教員を兼務していることから、同大学と密接な共同研究を行い、スタッフ並びに学生たちも親しく交流していることが、本研究室の大きな特徴です。

私たちの主たる研究テーマは、1、グラフェンナノ構造・デバイス応用の研究、2、ハイブリッドNEMS(ナノ電子機械システム)機能デバイスの研究、3、単一電子スピンによる集積量子ビットの研究、4、シングルドーパント原子デバイスの研究です。以上の研究の共通項は、基本材料として極薄シリコンおよびグラフェンを用い、基本となるナノ構造として可動体であるNEMSおよび量子効果を発現する量子ドットなどの極微構造を採用していることです。

グラフェンナノ構造・デバイス応用の研究

グラフェンは、炭素原子がハニカム構造をとって結合した炭素原子のシートであり、現在その物理現象や応用に関する研究は世界を席巻しています。
本研究室では、グラフェンの超微細加工に取り組んでいます。従来、グラフェンの加工には、電子線によるリソグラフィ技術が用いられていますが、私たちはヘリウムイオンビームを使うことにより、電子線では不可能なサブ10nm加工に成功しています。原理的には1nmスケールも狙えます。
この技術の応用の1つとして、単一ガス分子を検出できるセンサを研究しています。グラフェンのナノリボンを作製し、CO2分子が吸着すると、グラフェンの電子状態がどのように変化するのかを理論と実験の両面から解析しています。

ハイブリッドNEMS機能デバイスの研究

近年、半導体技術におけるMore than Moore的研究として、NEMSをシリコン電子デバイスと融合させる技術が注目されています。私たちは、MOSFET(金属酸化膜半導体構造の電界効果トランジスタ)や単電子トランジスタとNEMSの融合により、従来のデバイスを凌駕するスイッチングトランジスタ、不揮発性メモリ、超高感度ナノセンサなどの高機能デバイスを作製します。

例えば、共鳴振動子ゲートトランジスタ型センサは、両持ち梁構造のシリコンナノワイヤを可動ゲートとした平面型MOSFETによる超高感度質量センサです。ナノワイヤゲートを振動させ、ここにガス・バイオ分子が付着すると、その微小な質量増加による振動周波数の変化を電気的に検出します。その感度はzg(ゼブトグラム、10-21グラム)/Hzレベルに達する可能性があり、従来の水晶振動子マイクロバランス法による質量センサのngからpgという感度をはるかに超えます。

単一電子スピンによる集積量子ビットの研究

数10nmほどの半導体結晶に電子を閉じ込めて制御する技術、量子ドットは、レーザー、トランジスタなどさまざまな応用研究が行われています。なかでも実用化への期待が大きい量子コンピュータは、量子力学的な0と1の重ね合わせ状態を用いることで超並列計算を可能にする次世代コンピュータです。従来のコンピュータでは計算困難な巨大な数の素因数分解も、秒単位で計算してしまいます。

私たちは、スピンデコヒーレンス時間が長いシリコン超薄膜やグラフェン上に、多重量子ドット、ナノ磁石、電子スピン共鳴素子、単一スピン読み出し素子を集積し、単一スピンを量子ビットとする量子情報処理システムの構築を進めています。このシステム構築には極小の量子ドットを作る必要があり、私たちは、超高解像度HSQ電子線レジストによる高密度シリコン量子ドット作製技術と、ヘリウムイオンビームミリングによる集積グラフェン量子ドット作製技術を確立しました。

本研究は、英国サザンプトン大学、ケンブリッジ大学、ならびに日立ケンブリッジ研究所やNTT基礎研究所と共同で進められており、EPSRC SISSQIT プロジェクトに採択されています。

シングルドーパント原子デバイスの研究

MOSFETの微細化に伴い、ドーパント原子の数は1個~数個と数える程度になっています。nmサイズのチャネルでは、ランダムドーパント原子の個別性がデバイスの特性に大きな影響を与えるため、ドーパント原子による特性の揺らぎが問題となっています。
私たちは逆の視点から、ドーパント原子を積極的に用いた機能性デバイスを研究しています。まずは、第一原理計算を用いてシリコンナノチャネルの中にあるドーパントの電子状態を解明することが重要です。さらに、ドーパント原子の1個1個を制御した新しい素子動作原理を提案し、厚さ数nmの極薄SOI(Silicon-on-insulator)層上にシングルドーパントデバイスを作製します。

Message

私たちは、ポストCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)世代のエマージングテクノロジー開発と、国際共同研究に意欲のある方を歓迎します!

水田研究室の紹介
(3:24)

ハイブリッド・ナノエレクトロニクスとアトムスケールデバイス

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