長尾 祐樹 研究室

長尾 祐樹 准教授

物質化学領域
長尾研究室 長尾 祐樹 准教授

ナノプロトニクス~次世代水素技術の基盤となる学問分野の開拓

ナノプロトニクスは、プロトン(水素イオン)の特性を活用する総合科学技術です。本研究室では、ナノスケール領域および界面のプロトン輸送現象の理解と制御によって、次世代水素技術の基盤となる学問分野を開拓します。

現在の主な研究テーマとして、電子とプロトンを用いた次世代電子デバイス、たとえば、ナノプロトニクス燃料電池や白金フリー燃料電池触媒の開発に取り組んでいます。また、生体内ではどのようなプロトン輸送現象が起きているのかを解明し、バイオとは異なる視点で、プロトニクスの観点から生体を理解する研究も進めています。

ナノプロトニクス燃料電池の開発

水素と酸素によって発電する燃料電池は、環境負荷の小さい次世代型の発電システムに位置付けられます。本研究室では、固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell 、PEFC)としては全く新しい化学的構造を持つナノプロトニクス燃料電池を探索します。

私たちは最近、プロトン伝導性ナノ薄膜において、プロトン輸送特性がバルクのそれと比較して桁違いに向上する現象を見出し、これを「ナノプロトニクス現象」とよんでいます。この現象をベースに、高性能化かつ小型化した新規なセル構造を設計・作製します。
その設計・作製技術のポイントは、トップダウンプロセスとボトムアッププロセスを融合させ、分子配列の制御を行う点にあります。また、3次元空間において異なる機能性分子を正確な位置で結合させる「化学素子化」という概念を開拓します。LBL(Layer-by-Layer)製膜法を用いて分子層を一層ずつ制御し、機能性分子層を積層して多重機能や新しい物性を発現させる化学的技術を確立し、電池だけでなく、電子デバイスなど広い分野への応用を図ります。さらに、この機能性分子を素子化する技術を、デバイスの自己修復やリプログラミング技術へと展開し、さらに多くの分野に応用できる基盤技術を開発します。

本ナノプロトニクス燃料電池の開発研究は、独立行政法人日本学術振興会の最先端・次世代研究開発支援プログラムに採択されています。

白金フリー燃料電池触媒の開発

PEFCでは、電極触媒材料である白金が高価で希少なため、白金使用量の削減や代替材料の開発が求められています。
私たちは白金に替わる新たな触媒として、MOF(Metal Organic Framework)の研究を行っています。MOFは、金属と有機化合物のハイブリッド材料であり、その高い結晶性に由来するナノサイズの三次元的多孔構造を有します。

燃料電池の電極反応は、電解質・触媒・燃料ガスの三相界面で起こりますが、PEFCの場合、電解質が固体であるため、三相界面は限定されてしまい、白金の利用効率は30~40%どまりです。私たちの提案するMOFは、ナノ細孔を制御することによりあらゆる部分を酸素や水素が自由に透過する構造です。ゆえに、構造体のどこにでも分子レベルで三相界面が存在するため、発電性能はほぼ100%に達します。出力密度においてはリチウムイオン電池の10倍にまで高めたいと考えています。

長尾研究室の紹介
(2:57)

ナノプロトニクス ~次世代水素技術の基盤となる学問分野の開拓

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