前之園研究室 前之園 信也 教授

Photo: 前之園 信也 教授

〈専門分野〉ナノ材料化学、コロイド化学、化学工学
〈キーワード〉グリーンイノベーション、ナノ材料化学、ナノ粒子・ナノ触媒、ライフイノベーション、半導体物性、新医療技術、熱電デバイス

ナノ粒子工学:機能材料の創製から応用まで

研究内容

 物質をナノメートルサイズまで細かくしていくと、種々の物性がサイズに依存する新奇な材料となります。このような新奇材料を一般に「ナノ材料」と呼びますが、我々はその中でも特に「ナノ粒子」に興味を持ち、ナノ粒子に関する基礎から応用に亘る研究を行っています。半導体、磁性体、金属などのナノ粒子を化学合成し、その表面をさまざまな配位子によって機能化し、さらにそれらナノ粒子の高次構造を制御することによって、バイオ・医療分野あるいは環境・エネルギー分野で新たな応用を開拓することを目指しています。

1.磁性体ナノ粒子の合成とバイオ医療分野への応用

 鉄-白金合金(FePt)や酸化鉄(Fe3O4)等の強磁性体のナノ粒子を独自の方法によって合成し、その表面を自在に修飾することによって、バイオ医療分野での様々な応用の道を開拓しています。優れた磁気特性と高い表面機能性をもつ強磁性体ナノ粒子を合成し、MRI造影剤、ドラッグデリバリーシステム、細胞やタンパクの磁気分離などのナノ磁気医療に応用するための技術開発を行っています。

2.半導体ナノ粒子の合成と光・電子デバイスへの応用

 狭ギャップ化合物半導体から広ギャップ酸化物半導体のナノ粒子まで、幅広い種類の半導体ナノ粒子を化学合成し、それらを用いて低炭素社会の実現を志向したナノ構造エネルギー変換デバイスの創製に関する研究を行っています。特に、塗布プロセスで作製可能な、有機無機ハイブリッド太陽電池、ナノ構造熱電素子、透明導電性膜や不揮発性メモリ素子などの開発を行います。

3.金属ナノ粒子を用いたバイオセンシング技術の開発

 近年、金ナノ粒子を用いた様々なバイオセンサが開発され、簡便かつ迅速にDNA配列検出やタンパク質機能解析などが可能となってきています。我々は、ナノ粒子プローブを用いたバイオセンシング技術の更なる高感度化を目指し、新奇なヘテロ構造金属ナノ粒子プローブの開発を進めています。

使用装置

透過型電子顕微鏡 (TEM)、走査透過型電子顕微鏡 (STEM)、X線回折装置 (XRD)、X線光電子分光装置 (XPS)、ラマン散乱分光装置、ICP発光分光分析装置、超伝導量子干渉磁束計 (SQUID)、蛍光分光光度計、紫外可視分光光度計、フーリエ変換赤外分光光度計など

過去5年間の主な研究業績

  1. L. A. W. Green, T. T. Trinh, D. Mott, S. Maenosono, and N. T. K. Thanh, Multicore magnetic FePt nanoparticles: controlled formation and properties, RSC Adv., 4, 1039 (2014).
  2. P. Singh, D. Mott, and S. Maenosono, Gold core wustite shell nanoparticles: suppression of iron oxidation via the electron transfer phenomenon, ChemPhysChem, 14, 3278 (2013).
  3. M. T. Nguyen, T. T. Trinh, D. Mott, and S. Maenosono, Chemical synthesis of blue-emitting metallic zinc nano-hexagons, CrystEngComm, 15, 6606 (2013).
  4. T. T. T. Nguyen, T. T. Trinh, D. Mott, M. Koyano, and S. Maenosono, Attenuation of surface-enhanced Raman scattering of magnetic-plasmonic FePt@Ag core-shell nanoparticles due to an external magnetic field, Chem. Phys. Lett., 574, 94 (2013).
  5. S. Gupta, S. V. Kershaw, A. S. Susha, T. L. Wong, K. Higashimine, S. Maenosono, and A. L. Rogach, Near-infrared emitting CdxHg1-xSe nanorods fabricated by ion exchange in an aqueous medium, ChemPhysChem, 14, 2853 (2013).
連絡先

前之園 信也/E-mail:shinya@jaist.ac.jp TEL:0761-51-1611 FAX:0761-51-1625
URL:http://www.jaist.ac.jp/~shinya

原子・分子とバルク結晶の中間的な性質を持つ「ナノ粒子」。そのナノ粒子をどう創るか、また、その高次構造をどう組み立てるかということを探求します。そして単一ナノ粒子とナノ粒子集合体それぞれについて、新しい機能の発現と応用開拓を目指します。