水谷研究室 水谷 五郎 教授

Photo: 水谷 五郎 教授

〈専門分野〉表面物性、固体光物性、顕微鏡法
〈キーワード〉グリーンイノベーション、新計測技術、表面・界面物性

非線形光学効果によって観察する固体表面や機能性界面の活性

研究内容

 物質中で2つの光子が融合して和のエネルギーを持つ1つの光子となるような現象を二次の非線形光学効果と言います。私達のグループでは、このような光学過程の観察を通して、固体の表面界面における特有の現象を観察、解明、応用することをめざしています。そして、独自の非線形光学現象観察装置を製作し、活性な物質の表面界面の性質やナノスケール構造物の非線形光学効果を探ったり、新しい物理現象や自然現象を見つける努力を続けています。以下に最近グループで興味を持っている研究テーマを示します。

1.光第二高調波分光法による表面現象の解明

 光の第二高調波分光法を発展させ、重要な表面現象の進行中に表面電子準位がどのように変化するかをその場で観察します。光触媒TiO2界面、表面吸着系、半導体界面の電子状態、ボンド配向の分布および秩序を探り、それらを現象論や第一原理計算を用いて厳密に解析する手法を確立します。

2.ラマン散乱や和周波発生法を用いた振動分光法による固体表面吸着子の研究

 固体表面界面現象の微視的な起源を高感度ラマン散乱法や和周波発生法による分子振動の分光法により探求します。固体表面や触媒表面に吸着した分子の吸着状態や反応過程、生体材料周辺の水分子の秩序などを解明します。

3.表面でのみ実現される新物性の探求

 表面に吸着した分子、膜、ナノ構造は、同じ物質のバルクと全く異なった物性を示します。例えば金属ナノワイヤのような物質で、この違いの起源を探究するとともに、この性質を利用した新機能物質の開発をします。

4.光第二高調波/光和周波顕微鏡の開発と応用

 光の倍音や和周波の顕微像を観察する装置を開発し、それを用いた興味ある系の観察をします。装置としては超高真空中の試料を時間空間分解能よく、しかも励起光波長を変化させて観察できるものをめざします。観察する系は、触媒表面、半導体表面、生きたままの生物体などであり、これらから興味深い物理現象を見出すことをめざします。
 水谷五郎教授は、「研究で冒険ができたらいいな」という夢を持っている人です。グループのメンバーにも、それぞれ大きな夢を持って欲しいと思っています。

使用装置

 表面光第二高調波/和周波分光装置、表面光第二高調波/和周波顕微鏡装置、可視/赤外光パラメトリック発振/発生/増幅器(Q-スイッチ/モードロックNd:YAGレーザー励起)、フェムト秒光パラメトリック増幅器、高感度表面ラマン分光装置、表面調整分析チャンバー、分子ナノワイヤ製作チャンバ、X線光電子分光装置

過去5年間の主な研究業績

  1. Y. Ogata and G. Mizutani, Absolute second order nonlinear susceptibility of Pt nanowire arrays on MgO faceted substrates with various cross-sectional shapes, Applied Physics Letters 103(9), 093107/1-4 (2013).
  2. H. Takahashi, Y. Miyauchi, and G. Mizutani, Selective observation of local carrier dynamics at step bunches on vicinal TiO2(110) by time-resolved pump-probe second harmonic generation method, Physical Review B86 (4), 045447/1-13 (2012).
  3. Y. Ogata, N. A. Tuan, Y. Miyauchi, and G. Mizutani, Optical second harmonic generation from Pt nanowires with boomerang-like cross-sectional shapes, Jounal of Applied Physics 110(4), 044301 (2011).
  4. H. Takahashi, R. Watanabe, Y. Miyauchi, and G. Mizutani, Discovery of deep and shallow trap states from step structures of rutile TiO2 vicinal surfaces by second harmonic and sum frequency generation spectroscopy, Journal of Chemical Physics 134(15), 154704/1-13 (2011).
  5. A. B. El Basaty, Y. Miyauchi, G. Mizutani, T. Matsushima, and H. Murata, Optical second harmonic generation at heterojunction interfaces of a molybdenum trioxide layer and an organic layer, Applied Physics Letters 97, 193302 (2010).
連絡先

水谷 五郎/E-mail:mizutani@jaist.ac.jp TEL:0761-51-1521 FAX:0761-51-1149
URL:http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/mizutani/mizutani.html

非線形光学顕微鏡で不均一な材料を観察すると、材料物性の「平均値からのずれを強調した像」が得られます。これはピカソの画法にも似た、この方法の興味深い特質です。われわれは非線形分光法による観察を通して材料の表面界面の機能解明をするとともに、こういった非線形現象の摩訶不思議な性質を解明利用することをめざしています。