篠原研究室 篠原 健一 准教授

Photo: 篠原 健一 准教授

〈専門分野〉高分子化学、機能性高分子合成、1分子イメージング
〈キーワード〉新計測技術、高分子化学

ポリマー1分子の直視 生物を超えるしなやかな機能と原理の発見に挑む

研究内容

高分子鎖1本の基礎化学

 1個の分子が力を発生させてこれが駆動源となって動いたり、ものを変形させたりすることが可能になれば、微小空間で物質を輸送する分子モーターや、高感度で環境の変化を高速に検出して分子の形を自在に制御することで情報を表現する、情報処理デバイスが出来ます。

 生体では既にこれらの機能を実現しているだけでなく、様々な機能を高度に組織化しています。この結果、私たち生命体は生かされています。もし、この生命体の驚くべき卓越した機能の一部でも持つ材料を作れたら、全く新しい設計思想に基づく機械やコンピューターが出来ることでしょう。現在の最先端の生物学では、生体高分子であるタンパク質の機能発現の機構や動作原理を明らかにしつつありますので、この概念を合成高分子(ポリマー)の設計に適用すれば、生体高分子に匹敵した刺激や負荷などの環境変化に柔軟に対応して特性を自在に制御できる「しなやかな」合成高分子を創製できるのではないかと考えました。この合成高分子は、生体高分子タンパク質にはない実用可能な耐久性を有するだけでなく、有機合成技術に基づく分子設計に応じて、性能の制御が容易になります。

 篠原研究室では、この様な考えに基づき、機能性高分子の合成から1分子構造と機能のイメージング装置の開発と観測まで、一貫したポリマー1分子の基礎研究を行い、光と熱ゆらぎで駆動する「1分子モーター」や光で出力する「1分子情報デバイス」の実現を目指します。現在、その基盤を築くために、生物を超えるしなやかな機能と原理の発見に挑んでいます。

 篠原研究室が目指している、光と熱をエネルギー源とする1分子デバイスは、無尽蔵のクリーンエネルギーである太陽光の直接的利用を可能としますので、人類の存亡をかけた世界共通の危機「エネルギー・環境問題」の解決に大きく貢献します。

 

使用装置

高分子合成装置、核磁気共鳴分光光度計、走査電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、近接場光学顕微鏡

過去5年間の主な研究業績

  1. 篠原 健一, 「ここまでできるポリマー1分子のイメージング!」, 高分子 62, 673-674 (2013).
  2. 篠原 健一, 「高分子の長鎖分岐構造解析方法、高分子の評価方法、高分子の製造方法及び高分子」, 特開2014-002129 (Jan. 2014).
  3. 篠原 健一, 高分子の表面改質・解析の新展開「走査プローブ顕微鏡法による高分子鎖の構造解析」, pp 115-124, CMC 出版( 東京), ISBN-978-4-7813-0595-0 (2012).
  4. 篠原 健一, 「高速走査型プローブ顕微鏡」, 特開2012-032389 (Feb. 2012).
  5. K. Shinohara, N. Kodera, T. Oohashi, Single-Molecule Imaging of Photodegradation Reaction in a Chiral Helical π-Conjugated Polymer Chain, J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 48, 4103-4107 (2010).
連絡先

篠原 健一/E-mail:shinoken@jaist.ac.jp TEL:0761-51-1601 FAX:0761-51-1601
URL:http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/shinohara/

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