現在、環境保全を含めて地球規模で必要性が叫ばれているのがエネルギーの有効利用です。廃熱エネルギーを利用して且つ有害物質を出さない技術、エネルギーの輸送や貯蔵の技術などが挙げられ、これらに関連するものが、超伝導体、熱電半導体を対象とする科学技術分野です。

 本研究室では、電子輸送現象に関する実験手法を使い、これらの材料物性を基礎から応用にわたって物理学的な立場から明らかにし、機能的な実用材料の創製を目指しています。


 熱電エネルギー変換の高効率化
 高温酸化物超伝導体における渦糸状態



 研究室では、お互いに協力しあい、不断に意見交換しながら、結晶作製から、物性測定、解析といった一連の仕事を行っている。基本的には、テーマを進めるために必要な手段を見つけ、よい結果を出すために実験的なセンス、うまくいくまでの粘り強い努力が必要とされる。一つの単結晶を得るのに、失敗を繰り返しながら少しずつ改良を加え、1年かけてようやく成功するということもある。

 基本的には本人の自主性、独自性を重んじ、気持ち良く研究生活をおくってもらいたいと願っている。実験に当たっては低温実験の宿命で液体ヘリウムは必要不可欠であるため頻繁に液体ヘリウム、窒素のベッセルをことことと研究室まで運んでは持ち帰るといった泥臭い大切な作業が繰り返される。

 頭と体を使いながらより良い成果を出していきたいと考えている。将来的には、基礎的な研究だけでなく、超伝導の応用にも直接寄与できる研究を進めたいと思っている。