北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス系物質化学領域 松村和明研究室 Weblog

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Mark論文表紙掲載(selected as a journal cover)

修了生のEsha Dasさんの論文が、雑誌のカバーイラストに
選ばれました!
雑誌の表紙です。

分子内にプラスとマイナスの電荷を持った両性電解質高分子
である、カルボキシル化ポリリジンが、水溶液中で液-液相分離を
起こすことを報告し、その挙動が、高分子濃度、分子の疎水性、
溶液の塩濃度などのより制御可能であることを示しました。
また、架橋を加えてハイドロゲルとすることで、温度応答性の
体積相転移も起こる事を示しました。
今回の温度応答性は、LCSTとよばれる、温度を上げると相分離が起こる
挙動であり、水分子の脱水和が関係しているため、一般的には
親水性と疎水性のバランスが重要です。今回は、さらに電荷による
静電的相互作用も大きく関与している興味深い挙動が見られました。
写真は、高分子水溶液が相分離を起こして、液滴(コアセルベート)
となっているところの顕微鏡写真です。今回はかなり基礎的な
内容ですが、表紙に選んで頂けて喜ばしく思っています。

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Mark論文情報2016.11

松村研の卒業生のEsha Dasさんの論文が
Journal of Polymer Science PartA Polmyer Chemistry
に受理されました。
Tunable phase-separation behavior of thermoresponsive
polyampholytes through molecular design


journal coverです
GAです

カルボキシル基を導入したポリリジンが、温度依存性の液液相分離
挙動を示すことを報告しました。この相分離は、ポリマー濃度、塩濃度、
疎水性の側鎖に大きく依存したLSCT挙動を示しました。
つまり、温度を上げると濃い濃度相と薄い濃度相に相分離するのですが、
そのポリマー間の相互作用が静電的相互作用である点が興味深い所です。
PNIPAMなどのようにLCSTを示すポリマーは多数報告されていますが、
両性電解質高分子が、その分子内および分子間での静電的相互作用
により相分離を示すことはあまり報告されていません。
この論文では、さらにこの高分子をゲル化させることで温度応答性の
ゲルへの応用も示しました。
卒業から3年目と時間がかかってしまいましたが、ようやくデータが
日の目を見ることとなってほっとしました。


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Marknanoscale誌バックカバー採用

D3のSanaのNanoscale誌に掲載された論文のイメージが
雑誌のバックカバーイラストに採用されました。

カバーイメージです

凍結濃縮によって細胞内にリポソームが取り込まれる様子がCGで
再現された、きれいな図です。
本論文はオープンアクセスになっていますので、引用が増えることを
期待しています。
論文は掲載されて終わりではなく、如何にたくさん引用されたかが
その論文の価値を決めます。引用されると言うことは、その論文が他の
研究者を触発し、次世代の研究につながったことを
意味するからです。

他の研究者をインスパイアするような研究成果を出すことが研究
を続ける意味の一つです。

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Mark化学会生体関連化学若手会~IFPB2016

9/6に金沢駅地下もてなしドームで行われた日本化学会の
生体関連化学部会若手会に招待講演として呼ばれて行ってきました。
凍結濃縮によるDDSの話題を講演させて頂きましたが、大変熱心に
多数の質問を頂き、勉強になりました。
オーガナイザーの山口拓実先生、渡邊先生お疲れ様でした。
会場が駅地下というのが、斬新でした。盛況でした。

会場写真です
幕で仕切られた会場。陣地みたいです。

9/7-9に大阪成蹊大学で行われた
9th International Conference on Fiber and Polymer Biotechnology
という国際学会に、D3のSanaとD1のPunnidaと参加してきました。
Punnidaは9月末に一旦タイに帰国するので、初めての学会参加が
間に合って良かったですね。

Sanaの発表です

Punnidaの発表です

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Markデリー大出張

JSPSの二国間共同研究に関するキックオフミーティングで
インドのデリー大に来ています。今年はすでに二回目のインド。
暑いかと思いきや、雨が降っていてちょうど良いぐらいです。

Prof. Rawatと今後の研究の進め方について打ち合わせをしました。
今回の共同研究はデリー大主導型で、先方で合成したナノマテリアル
の細胞毒性を調べたり、DDS応用を目指したりするのがこちらの
役割です。

メールですむと言う考え方もありますが、面と向かって話をして
やることを決めた上でそれを共有することが大事だと思います。

Profたちとの記念写真です
いつものメンバーで写真をとりました。相変わらず濃いです。

Sparshとの写真です
今回は昨年卒業したSparshさんと現地で会いました(黄色)。
Rawat先生の所の学生さん(青)と一緒にQutub Minarという塔
をバックに写真を撮りました。その昔、誰かが何かのために立てた塔です。
廃墟になっていて良い感じの場所です。

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Mark論文情報2016.8 part2

雑誌の表紙です

論文のグラフィカルアブストラクトです。

卒業生のMinkle Jainさんの論文がpublishされました。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0928493116308128

凍結保護物質として当研究室で研究を続けているカルボキシル化
ポリリジンに、ナノクレイであるラポナイトを添加すると
チキソトロピー性を有するゲルになることを報告しました。
チキソトロピー性とは、力学的負荷をかけると流動する性質で、
カルボキシル化ポリリジンで凍結保存した細胞の懸濁液に
ラポナイトを添加すると、流動性のあるゲルになることを
利用して、インジェクタブルゲルとしての再生医療用途に
応用する事が期待出来ます。
インジェクタブルゲルとは、注射器で打ち込むことの
出来るゲルという意味で、この場合、幹細胞を含んだ
ゲルを、チキソトロピー性を利用して患部に注射すること
ができるわけです。そうすると、体内で再びゲル化して幹細胞
が患部にとどまり、治療が促進されることが期待出来ます。

今年は論文が多くアクセプトされて大変うれしいのですが、
昨年、その分沢山リジェクトされていて、その持ち越しがようやく
出版にこぎ着けているといった状態です。これも約1年も
かかりました。

ただ書き続けるのみです。

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Mark論文情報2016.8

富山大学中路先生との共同研究がJournal of Materials Chemistry B
に受理されました。
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2016/tb/c6tb01478j#!divAbstract

論文の図です

形状記憶性を有したポリウレタンと両性イオンポリマーの
相互侵入網目を形成し、、細胞やタンパク質
の接着を抑制できる材料として提案しました。
我々はDSCやDMA測定をお手伝いしました。
中路先生、おめでとうございます。

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Mark論文情報2016.7 Part2

京都大学、京都工芸繊維大学との共同研究の成果が
Cell Transplantation誌に受理されました。

表紙の写真です

我々が開発した、カルボキシル化ポリリジンを用いたガラス化法で
ヒトのES細胞を効率よく凍結出来ました。
今回の報告はアプリケーションに関するものですが、自分たち
の開発したものが役に立っているということは、とてもうれしい
ことで励みになります。
ヒトのES細胞の実験は大変で、許可された専用の施設でしか
取り扱うことができません。今回は京都大学の再生医科学研究所
で実験を行いました。
実験が終了すると、速やかにES細胞は返還しないといけません。
困ったことに、論文の査読で追加実験を要求されても出来ません
でした。
なんとかそれでも受理して頂けたので良かったです。
この論文もアクセプトまで半年以上かかってしまいました。


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Mark論文情報2016.7

D3のSana Ahmedさんの論文がNanoscale誌に受理されました。

Enhanced Protein Internalization and Efficient Endosomal Escape Using Polyampholyte-Modified Liposomes and Freeze Concentration

論文のGAです。

細胞質内へのタンパク質の送達手法の提案です。溶液を凍らせた際に
氷晶が溶質を排除しながら成長していくため、残存溶液中の溶質の
濃度が高まるという、凍結濃縮という現象があります。ジュースを
凍らせると、透明な氷の部分と濃い溶液の部分に分かれるあれです。
細胞は、氷の結晶を避けて残存溶液部分に存在します。
従って、細胞は濃縮された相に存在するため、そこに必要なタンパク
質も濃縮されるため、細胞膜付近に集積します。タンパク質を、
細胞膜と親和性の高いキャリアと複合しておくことで、解凍後の細胞
の能動な取り込みを促進することで、送達効率を高めることに成功し
ました。
さらに、両性電解質高分子を固定化しておくことで、エンドソームか
らの脱出も起こり、取り込んだタンパクが消化されずに細胞質内にき
ちんと送達出来る事を示しました。今後は遺伝子導入などにも利用
出来ると期待されます。

今回の論文は提出してから採択が決定するまで、8ヶ月もかかり
ました。私の経験上最も苦労した論文の一つです。
論文を雑誌に提出すると、まず編集者が査読に回す価値がある
かどうかを判断し、ここで落とされる場合があります。査読に
回った場合、査読は複数の同業の研究者が行いますが、やはり
ここで落とされる場合と、修正を依頼される場合があります。
文句なしに受理ということは滅多にありません。

今回は追加実験と、Introductionを含めて大幅な書き直しを
要求されました。いつもこの修正と査読者への回答というのは
神経を使う大変な作業ですが、今回は修正のおかげで自分でも
内容がだいぶ良くなったように感じました。
よい査読というのは論文の質を高めてくれるのですね。

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MarkWBC2016 in Montreal

ロゴです

4年に1回オリンピックイヤーに開催される
World Biomaterials Congress 2016
に参加してきました。今回は学生4人
(Robin, Sakaguchi, Sana, Monika)をつれての参加で、
発表件数は8件、私も口頭発表しました。
カナダのモントリオールで5/17-22の日程で開かれました。
4年に1回の世界大会という事もあって、世界中から著名な
研究者が多数集まり、大変規模の大きな学会でした。
興味深い発表も多数あり、勉強になりました。
Lunch and Learningという、有名な教授を
囲んで食事をしながら研究に関してDiscussionするという
緊張感にあふれたセッションにも参加しました。


食事中です
ちょうどMcGill大でポスドクをしていた海老谷研出身の
Dr. Hemant(右前)と会ってきました。


風景です

モントリオールは北米のパリと呼ばれるだけあって、街並みが
ヨーロッパみたいで美しい所でした。

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