7-C 原子核崩壊と放射性同位体系列

 原子核崩壊は、核が"核子数"について最も低い可能性のエネルギー状態にある時に起こる。(核子とはプロトンまたはニュートロンのこと。)この状態は自然に起こる(このことは本質的に初期生成星の状態でつくられたことを意味する)か、人工的な手法(ニュートロンかフォトンの照射)によって起こる。最も低い状態はハートリー近似に似たテクニックを使った"殻モデル"を使って計算できる。実際、そのエネルギーレベルは角モーメントと核子のスピンに強く依存している。崩壊にはいくつかのモードがある。

  1. アルファ(すでに前章で見た。)

  2. ベータ(電子か陽電子の放出)

  3. ガンマ(高いエネルギーのフォトン放出、X線と反対の過程、それは重元素について原子の電子遷移の結果である)

  4. 電子(陽電子)の捕獲(ベータ崩壊の逆)

 これらの崩壊は"放射能"の一般名で呼ばれる。放射性"同位体"(Zは同じで、AとNは異なる)は、"A element Z"と明示される。例えば235U 92というように示す。

 前の章で見たように、アルファ粒子は4He++、つまりヘリウム核である。アルファ崩壊は、Z > 82の元素にとって最も一般的である。なぜなら、核子につき最も大きなエネルギーを与えるからである。アルファ崩壊では、次のような核パラメーターが変化する。

Z -> Z - 2 A -> A - 4 N -> N - 2

 ベータ崩壊はニュートロンがプロトンへ"遷移"する。そこでは、電荷の保存のために電子、エネルギーとモーメント保存についての反ニュートリノ(以下の章を参照)が放出する。それは、アルファ崩壊が核を以前より不安定にさせるという状況で起こる。ベータ崩壊では、次のパラメータが変化する。

Z -> Z + 1 A -> A N -> N - 1

 ベータ崩壊のもう一つの形は、プロトンがニュートロンと陽電子とニュートリノに変化するという時に起こる。そのときのパラメーター変化は、

Z -> Z - 1 A -> A N -> N + 1

 捕獲過程は放出過程の反対である。

 ガンマ崩壊は、他の崩壊モードによって破られる核の保存則があるので起こる。"核のパリティ"を、もし(非常に複雑な)関数yy(x) = y(-x)という特性を持っているなら"even(偶)"と定義し、もしy(x) = - y(-x)ならば"odd(奇)"と定義する。これは代数での偶関数や奇関数のようなものである。核のパリティは保存される。そしてベータ崩壊は、いくつかの核でこの法則を破る。それゆえ、いくつかの核は、ベータ崩壊出来ない。それらは代わりにガンマ崩壊をする。パリティの保存に加えて、核反応もまたエネルギー、電荷、モーメント、核モーメントを保存しなければならない。そして、核のエネルギーを下げなくてはならない。

典型的に、一つの不安定な核はもう一つの不安定な核に崩壊する。それは、非常に安定な核(206, 207 or 208Pb 82)が最後の産物になるまで"崩壊系列"の中で起こる。そうした系列の3つは自然に起こる。一つは232Th 90で始まり、その他は238U 92235U 92で始まる。トリウム系列は、

 崩壊系列の"枝分れ"は、二つの崩壊モードが(たいてい)異なる確率で可能なときに起こる。いつ核が崩壊するか、もし枝分れが可能ならば、どの枝分れが起こり、いつ崩壊するかなどということについて確実なことは言えない。これにより、放射性崩壊速度は大きなサンプルに基づいている。(アボガドロ数のオーダー数、次の章を参照)

多数の不安定な核では、崩壊が明らかにランダムに起こる。しかし、全体の崩壊速度は、経験的な指数関数によって記述される。

D = D 0 2 - t / t.

ここで、D 0は、初期値で、Dは時間tでの残った量であり、t が"半減期"(DがD 0の1/2になる時間)であるから2が使われる。半減期は励起した核の安定性に比例する。より安定な核は長い半減期をもつ等。それは、RC回路の時定数に、いくらか似ている。それは、与えられた同位体に特徴的な量である。Dは質量の単位で測る。しかし、しばしばキューリーの単位でも測る。(CiはRa 約1g、または約3.7 x 10 10 decays / sに相当する。)

問題

次の章は放射能の生物学への影響についてです。



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