北陸先端科学技術大学院大学 [JAIST] - 研究者総覧
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橋本 敬 (ハシモト タカシ) 教授
知識科学研究科(知識科学専攻・システム知識領域)

■学位

神戸大学理学士 (1990),神戸大学理学修士 (1992),東京大学博士(学術) (1996)

■職歴

理化学研究所基礎科学特別研究員 (1996)

■専門分野

複雑系,進化言語学,進化経済学,知識科学

■研究テーマのキーワード

言語の起源と進化、記号コミュニケーションの生成、制度形成、地域通貨、構成論的手法

■研究課題

構成論的手法による知識の進化的観点からの研究〜言語・コミュニケーションの起源・進化・ダイナミクス,制度の形成・変化
知識科学とは「知はどのような構造をしているのか」「知はいかにして創造されるのか」を問う学問である.この問いに対し,進化的視点からの研究を試みている.進化的視点とは,知を創造・伝達・蓄積する装置である人間の認知・思考能力と人間社会の構造がいかに進化してきたか,そして,そのような装置を用いて知自体がいかに進化してきたかを考えるという視点である.知の形態としてはさまざまなものが考えられるが,わたしは特に,言語と社会制度に着目している. 前者は,わたしたち人間が話す自然言語がどのようにできてきたのかを問う「言語の起源と進化」の研究に結びつく.すなわち,生物進化の過程で,言語を獲得し扱う能力がどのように進化してきた(言語の起源),初期の言語からどのように複雑化・構造化して現在のような構造をもった言語になってきたか(言語の進化)を明らかにする試みである. 後者は,わたしたちが住む社会の制度の中で,特に自生的に生じ変化していくような制度の形成・変化のプロセスの研究へとつながる.ここで制度とは,多くの人たちの間で共有されている思考や行動の習慣であり,多くの人達は他の人達がその思考・行動習慣を共有していると(意識的・無意識的にかかわらず)思っているものごとである.この研究はさらに,社会をより理想的な状態にするにはどのようにすればいいかという,制度設計の試みに繋がっている.また,「装置の進化」という進化的観点では,社会制度を創造しそれに従い,そして,変化させて行くような認知の生物進化にも着目している. また,このような知識創造装置の進化とその装置による知識の進化を全体として追求するためには,生物進化・個体学習・文化進化という3つの適応的変化プロセスが相互作用し,さらに,個体と社会の間でルールダイナミクスが生じるような2重ループをなす複雑な進化プロセスを考える必要がある. これらの問いに対し,わたしは構成的手法で研究をしている.構成的手法とは,理解したい対象となるシステムを作り,そのシステムを動かし操作することを通して対象を理解しようという手法である.すなわち,言語が創発・進化可能,制度が形成・変化するためのシステムの要件や変化のプロセスを明らかにしようとしている.

記号コミュニケーションのダイナミクス
記号を用いるコミュニケーションは,個体間の記号のやりとりと個体内の記号の意味づけの連鎖プロセスである.そこでは,単に情報・意味が共有されるだけではなく,相互作用を通じて新しい意味や新しい記号の生成が生じる場合がある.すなわち,コミュニケーションとは共有と生成の連鎖である.この動的なコミュニケーションの基盤を理解するため,シミュレーションに構成論的研究,認知実験,数理モデル解析による研究を行っている.

■研究業績

◇著書

  • 境界知のダイナミズム,瀬名秀明,橋本敬,梅田聡,岩波書店,2006,142-188
  • 構成的リアリティの社会へのグラウンディング in 「ヒトとロボットの未来」,橋本敬,瀬名秀明(編著),NTT出版,2008
  • 「語ること」について, in 「こころのたねとして 記憶と社会をつなぐアートプロジェクト」,橋本敬,冨士本大哲,こたね制作委員会(編),特定非営利活動法人 こえとことばとこころの部屋,2008

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◇発表論文

  • Evolutionary linguistics and evolutionary economics,Takashi Hashimoto, Evolutionary and Institutional Economics Review,3,1,27-46,2006
  • 記号の超越性はいかにして可能となるか〜文法化の構成的モデル化による検討〜,橋本敬,計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会2007, 205-210
  • 交互凝視における視線の応答的シグナル化と意図的主体性の発達的構成,金野武司、橋本敬,情報処理学会シンポジウムシリーズ(数理モデル化と問題解決シンポジウム論文集),2006,10,195-202,2006

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◇講演発表

  • 言語進化とはどのような問題か? ? 構成論的な立場から,橋本敬,第18回 日本人工知能学会 AIレクチャ,金沢,2004年6月2日
  • 動的言語観に基づく記号生成の構成論的モデル化,橋本敬,第16回 自律分散システム・シンポジウム,京都,2004年1月26日
  • Simulation of Common Language Acquisition by Evolutionry Dynamics,Makoto Nakamura, Takashi Hashimoto, and Satoshi Tojo,Workshop on the Evolutionary Models of Collaboration (EMC'07), In conjunction with the Twentieth International Joint Conference on Artificial Intelligence,Hyderabad, India,Jan, 2007

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■担当講義

知識科学概論I(E),複雑系解析論,知識科学概論I

■学外活動

◇所属学会

  • 人間行動進化学会,会員・発起人,2008-
  • 言語処理学会,会員,2007-
  • International Society for Adaptive Behavior,2006-

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◇国際会議主催状況

  • International Conference on the Evolution of Language,University of Tokyo, Professor, Kazuo Okanoya,2012.3.13-16,Campus Plaza Kyoto, Japan
  • International Seminar on the Emergence and Evolution of Linguistic Communication 2010 (JAIST-EELC2010),北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科・教授・橋本敬,2009/3/10-12,京都(キャンパスプラザ京都)
  • First International Workshop of Emergence and Evolution of Linguistic Communication,北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科・教授・東条敏産業技術総合研究所サイバーアシスト研究センター・研究センター長・橋田 浩一北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科・助教授・橋本敬他,2004/5/31-6/1,開催場所:金沢ホームページ:http://www.jaist.ac.jp/~tojo/DLC.html第2回は英国Hertfordshire大学で開催予定。

◇その他の国際・国内貢献等

  • オランダ科学研究機構,革新的研究奨励計画 2007年外部審査委員,2007/03/23 - 2007/09/30
  • アイルランド科学技術研究評議会,博士研究員研究資金計画2005年度外部審査委員,2005/06/01 - 2005/10/30
  • 日本物理学会, 統計力学・物性基礎論 分科会 世話人 (1998-1999)

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■共同研究等希望テーマ

  • 生物進化・個体学習・社会学習が相互作用する進化的計算 市場の制度設計 言語の起源と進化 制度の形成・変化
  • 人工生命
  • 複雑系・構成論的手法

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