北陸先端科学技術大学院大学 [JAIST] - 研究者総覧
現在ページ トップページ 系別一覧表> 研究者紹介

研究者紹介

研究室
マテリアル研究棟MS Building IV 5F
TEL:0761-51-1550
研究室ホームページ
領域ホームページ
 

Japanese

リポジトリ公開資料

共同研究等のお問い合わせは, 産学官連携総合推進センター

 

 

下田 達也 (シモダ タツヤ) 教授
マテリアルサイエンス系、環境・エネルギー領域

■学位

東京大学工学士(1977),東京大学博士(工学)(1987)

■職歴

株式会社諏訪精工舎(現セイコーエプソン(株))開発部 研究開発員(1977),セイコーエプソン(株)基礎開発部ISグループ課長(1985),同社 開発本部 機能材料研究部 部長(1989),同社 研究開発本部基盤技術研究所長(1996),同社 英国ケンブリッジ研究所 Consulting Director(1998),同社 フェロー(理事,取締役待遇)(2002),同社 研究開発本部 副開発本部長(2004),同社 フェローとして研究開発本部開発技術戦略室担当(2006)

■専門分野

磁性材料、電子デバイス、有機デバイス、微小液体プロセス

■研究テーマのキーワード

フレキシブルデバイス、薄膜トランジスタ、有機EL、有機TFT、インクジェット法

■研究課題

機能性溶液を用いた電子デバイスの直接形成法の研究と体系化
 ハイテク電子デバイスの進歩は目覚しいが、その製造エネルギー効率、材料の使用効率といった観点は見落とされている。例えば、CVD、PVDといった薄膜作製の真空装置は、原料源から基板に堆積する材料の割合(歩留まり)は10%以下で、さらにフォトリソプロセスで削り取るので最後まで残る分は1%以下になる。高価なハイテク素材の99%が無駄になっている。また、製造エネルギー面でも大いに改善の余地がある。
 このような課題解決のために、機能性溶液を用いた電子デバイスの直接形成法を提唱して研究を進めている。インクジェット法や微小ミスト法(LSMCD)を用いて直接的に電子デバイスを作成する方法で「マイクロ液体プロセス」と呼んでいる。それは、必要最小限の機能性液体を用いて付加的に電子デバイスを作成するプロセスである。この方法で、今までにLCD用カラーフィルター、有機EL、有機トランジスタ、シリコン薄膜トランジスタ、フレキシブル多層配線基板、等の多くのデバイスが開発されている。
 マイクロ液体プロセスの第一の研究課題は機能性溶液の開発である。使う液体材料は電子機能を担う薄膜になりうる機能性液体でなければならない。すなわち、半導体、絶縁体、金属薄膜に変換できる前駆体溶液である。有機系機能溶液の作成は比較的容易で、インクジェット法で有機LED、有機トランジスタが作成できる。現在は、液体金属、液体半導体材料、セラミックスの液体も開発されており、選択肢が広がっている。
 次は液体の高精度パターニング。インクジェットした微小液滴の基板上での挙動は紙の上とは全く異なる。微小な世界では表面力が重力よりも数桁大きく、表面エネルギーを制御しないと線すら引けない。しかし、制御すると印刷に比べ一桁以上の精度が達成できる。すなわち、基板に表面エネルギーの高低、すなわち親液部と撥液部をつけておくと、着地した液体は自発的に親液部に集まりサブミクロンの精度が可能になる。
 さらなる課題は、液体乾燥時の溶質の自発的な輸送現象である。微小液滴では表面積が体積に比べて相対的に大きいので、急激な乾燥が起こる。液体の端がピン止めされて乾燥すると、液体の中心から外側に向かう微小流れが生じ、溶質が外側に向かって移動する。いわゆるコーヒーのシミ現象である。この現象を制御することで始めて所望のプロフィールを持つ薄膜が形成できる。
 まとめると、マイクロ液体プロセスは、(1) 機能性液体の作製、(2) 微小液滴の生成、(3) 液体パターニング、(4) 乾燥による固体膜形成、という4過程からなるプロセスで、これらの現象をよく理解し、その知見に基づいて高性能な電子デバイスを直接的に形成することが研究課題である。
 以上述べたマイクロ液体プロセスでは、数ミクロンから数十ミクロンの大きさのデバイス作成が可能になる。しかし、液体プロセスをさらなる小さなデバイス作成に適応しようとすると、インクジェットの液滴の大きさが数ミクロン以上であるので、限界がある。ナノサイズデバイスの作成には、溶液中の溶質と溶媒そして基板間に働く分子間力や界面力を利用して溶質をナノサイズの領域に自己組織的に堆積する手法が考えられる。ファンデルワールス力、溶媒和力、エントロピー力(置エネルギー)いったナノ領域で作用する力を駆使して溶質のナノ輸送を実現する。このようなプロセスを「ナノ液体プロセス」と呼び、本研究室とJSTのERATOプロジェクトとして取り組んでいる研究テーマである。

■研究業績

◇著書

  • ナノレオロジープリンティング,下田達也,クリーンテクノロジー, 第25巻第4号,日本工業出版No.2015.04.08.10.

◇発表論文

  • Evaporation of an inkjet droplet on a flat substrate,
    T. Masuda and T. Shimoda,
    Japnese Journal of Applied Physics,56,016701,2017
  • Highly conductive ruthenium oxide thin films by a low-temperature solution process and greenlaser annealing,Y. Murakami, J.Li and T.Shimoda,Materials Letters 121-124,152,2015,15/03/26
  • Solution processing of highly conductive ruthenium and ruthenium oxide thin films from。。rutheniumィCamine complexes,Y. Murakami, J. Li, D. Hirose, S. Kohara and。。T. Shimoda,,J. Mater. Chem. C, 2015, 3, 4490ィC4499,2015/04

全件表示

◇講演発表

  • UV/O3加熱処理による溶液プロセスPb(Zr,Ti)O3膜の低温作製,田頭 裕己, ファンチョントゥエ, 志村 礼司郎, 佐藤 啓介, 深田 和宏, 李 金望, 下田 達也, 高村 禅,第76回応用物理学会秋季学術講演会 (名古屋国際会場),15p-2L-13, 2015.9/13-16,名古屋国際会場,2015.9/13-16
  • Development of a Patterning Method of Oxide Materials by UV Irradiation and Selective Removal Using Solvent,Yuuki Yoshimoto, Tatsuya Shimoda,5th International Symposium on Organic and Inorganic Electronic Materials and Related Nanotechnologies (EM-NANO 2015), P1-16, June 16-19 ,Niigata, Japan,Niigata, Japan,June 16-19, 2015
  • シリコン@単分散球状メソポーラスカーボンの新規合成法,
    矢野 一久、龍田 成人、増田 貴史、下田 達也,
    第76回応用物理学会秋季学術講演会,名古屋国際会議場,2015/9/13-16

全件表示

■担当講義

ナノ情報通信材料論,統計力学特論,物質計算科学特論

■学外活動

◇審議会等への参画状況

  • 内閣府,第7回産学官連携推進会議 第4分科会パネラー,6月14日(土)、15日(日)

■賞等

  • SID 2014 国際会議ベストポスター賞,ササイアティー・インフォーメーション・ディスプレイ