目的 : 知識経営理論においてSECIモデルが知られている。SECIモデルでは、組織的知識創造を共同化、表出化、結合化、内面化という4つの段階からなるものととらえる。SECIモデルの特徴は、知識が暗黙知から形式知へ、また形式知から暗黙知へと、二つの異なった様態を螺旋状に行き来しながら創造されるとする点にある。形式知は「言葉で説明できる知識」とされるが、では、暗黙知とは何であろうか?暗黙知は直感や勘、経験的知識として語られることがあるが、これらは個人の暗黙知であり、組織の構成員の間で共有されるものではない。我々が言葉を越えて共有できる知識とは何であろうか?本講義では、この問いに理論と実践の両面からアプローチしていく。
内容: 本授業では理論と実践の両面から組織的暗黙知にアプローチする。実践面では、グループで行う身体芸術、たとえばパーカッションを用いた合奏などを行う。理論面では、現象学的接近方法をとり上げる。必要に応じて、音声学や音韻論などの基礎知識、ストレッチなどの基礎運動も取り入れる。また3回のグループ発表を通じて、組織的暗黙知について議論し、理解を深める。
教科書
TX1;フランシスコ・ヴァレラ,エヴァン・トンプソン,エレノア・ロッシュ共著,田中康夫訳,「身体化された心」,工作舎
参考書
RF1;サドナウ,「鍵盤を駆ける手〜社会学者による現象学的ジャズ・ピアノ入門〜」,徳丸吉彦ほか訳,新曜社
RF2;メルロ=ポンティ,「表現としての身体と言語」,メルロ=ポンティ・コレクションより,中山元編,ちくま学芸文庫
RF3;鴻上尚史,発声と身体のレッスン,白水社
関連: 本講義は、同じ講師により並行して開講されるK214「知識処理方法論B」と対をなしている。「知識処理方法論B」では組織で共有される形式知を、本講義では組織で共有される暗黙知をテーマとしている。「知識処理方法論B」をあわせて受講することで、組織における知識創造に対する理解が深まることが期待される。
講義計画
1. はじめに:暗黙知と形式知
2. 言語(1):声の出る仕組みと音の単位
3. 言語(2):言語の構文と意味
4. リズム(1):発話に伴う身体表現
5. リズム(2):身体動作に見られるリズム
6. 中間発表会
7. 感覚(1):聴覚と視覚
8. 感覚(2):触覚
9. 感覚(3):身体感覚
10. グループワークのプレビュー
11. 体験(1):自分の体験への接近法
12. 体験(2):相手の体験への接近法
13. 体験(3):第三者の体験への接近法
14. 知の伝達
15. 最終発表会
評価: グループワーク(3人または4人1組)を重視する。また個人で作成・提出するレポート、授業への貢献度などを加味して評価する。
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