Daily Archives: 2012年12月24日

紙谷 一衛著,「人を魅了する演奏」を読んで

表題のような本が面白そうだったので読んでみた。日本人のリズム感に関する記述が秀逸で「そうそう」と膝を打ちながら喜んで読んだ(自分ことは棚に上げて)。弱起とか上拍とかいろいろ表現はあるが、「打つのではなく前に進む感じ」というようにわかりやすく説明してあった。私見では結局日本には欧米風のダンスが根付かず、跳んだりはねたりすることがなかったからだと思う。また言葉のアクセントや子音と母音の意識などにも触れられていて、そういうことをはっきり書くのは立派だなぁと感心した。ドイツ音楽をやるにはドイツ語の練習は必須だと思うし、フランス語も然り。歌ったり、踊ったりすることで本来の表現に立ち返れるのだろう。最後の「自己を主張せよ、演奏を通じて聴衆と対話せよ」というところまで言っているのもすばらしい。突き詰めれば人に届けたい思いが自分にあるかが問われるということだ。19世紀的な浪漫派の態度といってしまえばそれまでだが、そういう音楽をやるなら(シューマンとかシューベルトとか)ここに書かれていることはまったくもって正しい。いろいろ漠然と考えていることがしっかり活字になっていて、読んですっきりした。

http://www.amazon.co.jp/角川学芸ブックス-人を魅了する演奏-紙谷-一衛/dp/4046212713
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Snow

Marry Christmas! We’ve got snow. It is cold. I have been at home all the day.
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