Daily Archives: 2013年5月12日

波は風が起こす

エーゲ海は穏やか、という印象があったが(文献などによる)、湾から出ると波が高い。そのうち収まるのかもしれないが、この波はどこから来るのだろうと考えてみた。

波が高いときは風が強い。この日も午後からかなり強い風が吹き出した。向きとしては南からの風で、Johnによれば熱いアフリカで暖められた空気が寒い北ヨーロッパへ吹いているんだという。サハラから砂を運んでくるので、車は泥で汚れてしまう。家の中にも細かい砂が入り込んでくる。

この風が波を起こしているのではないかと考えた。空気のような軽いものが、水みたいな重たいものを「動かす」とは直感的に納得しがたいが、波が立って風が起きるとは考えにくい。大気の変化が海洋をかき混ぜていると考えた方が道理に合う。

古代ギリシア人らがプネウマ(宇宙の呼吸みたいなもの)と言い出したのは、優れた船乗りでもあった彼らが波の立つ理由を考えた末にたどり着いた理屈なのかなぁと思った。湿気が無くて空気が乾燥しているから、余計にそう感じるのかもしれない。日本だと湿気を含んだ風が体にまとわりついて不快でしかないが、それとは違った感じがする。

夏になれば海が穏やかになるらしい。早くそんな海を見てみたいものである。とりあえず今日の荒れた海を動画で保存しておく。後日、比較するために。(「初夏の地中海」)

漁港へ

二日続けての遠出はためらわれたが、先週挑戦して不発だったのと、魚が欲しかったのと、食べたかったのと、お土産になりそうなハチミツで作ったハンドクリームが売られているとの情報があり、最古の漁港というところへ船旅。1時間程度で着くくらいの距離なので大したことはないのだが、先週その気になって船着き場に来るも、「今日は海が荒れているから出ない」との一言でふいに。今日は大丈夫だろうと思って出かけたら、今回はさすがにOKだった。とはいえ、最初通された40人乗りの船から90人乗りの大きなものへ、出港直前に乗り換えとなった。この意味は最後に明らかになる。

湾を出たところで波が荒れ出したが、それほどひどくない。船の二階部分に皆上って、景色を楽しみながらクルージング。下の写真に写っているのは監視塔。敵が襲来したら「のろし」を上げてとなりの塔の担当に知らせる。それを繰り返していって首都の司令部へ襲来を知らせるという仕組み。もちろん今は使われていませんが。。

wpid-20130512a-2013-05-12-13-43.jpg

スズキを養殖してるとか。そして大部分は日本へ輸出しているとのこと。

wpid-20130512b-2013-05-12-13-43.jpg

多少揺れたものの、まもなく到着。湾に入るなり、穏やかな海面となる。そろりそろりと中へ入っていく。

wpid-20130512c-2013-05-12-13-43.jpg

色とりどりに塗られた漁船が売り物、らしい。

wpid-20130512f-2013-05-12-13-43.jpg

あとはマーケット。手工芸品中心かと思ったら(アートクラフトみたいなものを想像していた)、町中の雑貨屋さんがそのまま露天になっただけという感じでそそられない。ハチミツのハンドリームを見つけたところで満足。(買わなかったけど)

wpid-20130512d-2013-05-12-13-43.jpg

魚屋はそれなりに新鮮なものを並べている。しかし安くはない。よろこび勇んで買ったのは「ナガラミ」(という巻き貝の一種)だったはずが、帰ってからよくよくみるとエスカルゴだった(!!) こちらでは養殖しているらしい。八百屋でも売られていたので変だと思った。赤ワインとトマトで煮込んで食べたりするらしい。(保留中)

wpid-20130512e-2013-05-12-13-43.jpg

焼き魚をランチに食べて、遅くなってしまったので時間ぎりぎりに船に戻った。なぜだか全員一階部分に座っている。眺めのいい屋上(二階)部分が閉鎖されていた。この理由は後ほど判明する。

wpid-20130512g-2013-05-12-13-43.jpg

午後になって風が出たせいか、潮目に逆らって進んでいるのか、理由は不明だが、かなりの荒れ模様。大波に揺られてアミューズメントパークのアトラクション並の面白さ(?)。気持ちが悪くなって吐く人も。一方で一緒に最後尾に陣取って景色を楽しんでいたスペイン人らは嬌声を上げて大はしゃぎ。かなり揺れたときは海に放り出されそうになって、鉄の板にガン(!)とぶつかっていたが(主語はそのスペイン人グループの一人)怯むことなくはしゃぎ続けていた。一番揺れがひどいときは転覆するんじゃないかと(半分)本気で心配になった。しかし上手に、横波を受けないように、進んでおりました。さすがですね。船長さん。

wpid-20130512h-2013-05-12-13-43.jpg

時間がなかったこともあって昼食を軽く済ませておいてよかったね、と安堵。吐くほどには至らなかったけど食後すぐに100メートルを全力で走ったのと同程度の胃の重さは感じていた。なのでいつものカフェによってコーヒータイム。カプチーノをゆっくり飲んだら胃が落ち着きました。

wpid-20130512i-2013-05-12-13-43.jpg