モザイクの床を観たせいもあるが、イスラム幾何学のことが気になってあれこれ読んでみた。本にはアクセスできずネットで検索するだけなので大したことはわからないが。ピタゴラス以来の伝統、といわれるとそんな気もする。抽象思考であることは間違いない。定規とコンパスでいろいろな幾何学的模様が描けるという面白さ、目に楽しいだけでなく、背後にある摂理のようなものを読み取ろうとする人間の努力。数理的な世界の、ある種の可視化であることは確かだが、魂が浄化されると考えたくなるのもわかる。日々わけのわからないごちゃごちゃした現実と格闘していると、すべてが透き通って見通せる世界に身を置きたくなる。現実は泥沼でも仕方がないが、そこに生きる精神は美しく整った秩序に基づいて働いてほしい。という気持ちの表れなのだろう。プラトン主義と言ってしまえばそれまでだが。
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