Daily Archives: 2016年4月12日

『生存学』Vol.9が2016年3月31日に刊行されました

2009年2月の創刊から8年、生きる知恵や技法が創出される現場としての、「病い、老い、障害とともに生きること。異なりをもつ身体」と向き合ってきた「生存学」の経験や研究の集積を世に問うてきた雑誌、これにて最終巻の刊行。http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/710

目次
http://www.arsvi.com/m/sz009.htm

寄稿した文が掲載されました。残念ながらこれが最終だそうです。我々の担当は以下の部分です:

特集4:弱さ(弱い身体)からの人間/メディア/ロボット考
1:望月茂徳「特集解説」
2:中島那奈子「ダンスするロボットは老いるのか――老いと踊り研究からの問題提起として」
3:藤波努「体が発しているものを情報通信技術で読み解く」
4:池田光穂「スピリットは細部に宿り給う――パースペクティヴィズムを通してみた人間=機械状態について」

中島那奈子さんが紹介文を書かれています。望月さんが導入を書いてくれて、締めが池田光穂先生という豪華な内容。立命館大学生存学研究センターの渡辺克典先生には編者として内容・構成についていろいろご意見頂きまして、大変助かりました。初稿と決定稿ではまったく異なった内容となっています。没にするのも残念なので、掲載されなかった初稿の方を公開しておきます。見比べると何がどう変わったかわかります。決定稿には写真が沢山掲載されていますし。本誌は書店に並んでおりますのでぜひお買い求めください。ほかの特集も充実しています。

没にした初稿:決定稿と8割くらい違います(!)
「夢見の体、あるいは体の夢を見ること – 認知症高齢者の世界への非還元的接近」
http://www.jaist.ac.jp/~fuji/misc/yumemi_ver01.pdf

内容が変わったのは、何となく「死生学」に関するジャーナルだと思いこんでいたからです。「生存」学なんですよね、本誌は。なので初稿と決定稿では、視点が「死」と「生」というように180度変わっております。同じ技術を死の側からみるか、生の側からみるかでかなり変わるのも興味深いと(個人的には)思います。