Monthly Archives: 5月 2017 - Page 2

スタンプ完成

しばらく放置していた住所スタンプ(ようやく)完成させた。ゴムに刻印したところで満足して終わっていたのだが、NC工作機械(numerical control machine)の使い方をTさんに教わるときの題材としてゴム印の台座を作ることになり、そのお陰で完成した。NC工作は楽しいが、正確に手順を踏んでいく必要があるので習得するまで時間がかかりそうだ。今回は厚みのある立体的なものを作ったが、装置としてはそういう使い方を意図しておらず垂直方向の加工はあまり得意ではないらしい。(二次元で加工して看板を作るというのが標準的な使い方であると教わりました。)そのあたりも考慮してどんなものを作るのか、いろいろ工夫が必要と感じた。ただ木を削るというのはそれだけで満足感がある。夢は膨らむが時間は有限だから慎重に進めなければならない。

ゴム印が出来ました

ゴム印が出来ました

NC工作機に挑戦

NC工作機に挑戦

刃物で木を削るので迫力あります

刃物で木を削るので迫力あります

ここまで彫ったらあとは超音波カッターで切り離し、テーパードリルで形を整えた+やすりで磨く(手作業)

ここまで彫ったらあとは超音波カッターで切り離し、テーパードリルで形を整えた+やすりで磨く(手作業)

伝統文化の継承とAI

「伝統文化の継承とAI ー 手仕事の技を現代に生かすには」と題した文章を人工知能学会誌 Vol. 32 No. 3 (2017/05)に寄稿した。
人工知能学会誌 2017年第3号(5月号)表紙

「人文科学とAI」という特集の一部として掲載されている。企画した古崎 晃司氏が紹介文を書いて下さった。

「人工知能と人文科学との相補的な関係に焦点を当て,人文科学のいくつかの分野における人工知能研究の位置付けと研究動向を解説するとともに,研究事例を紹介する」

という意欲的な企画である。

本稿ではスキルサイエンスの応用について、編み物を題材に考察する形をとっている。スキルサイエンスの研究では人の巧みさ(動きや感覚など)を調べてきたが、その成果をどのように活かすかという部分がまだ弱い。「達人の技の研究」が一般人にどのような恩恵をもたらすのかを考えてみた。一般人といっても対象は趣味を楽しむ人になるのだが、手仕事が好きな人が趣味をより一層楽しめる方法を提供することで、「すそ野」を広げ、それを生業とする人たち(プロ)の生活を安定させるといったようなことを書いた。現代的な要素を考慮すると、Fab LabとかMake: といった自作を楽しむ活動への貢献を模索することにつながる。(その点については書いていないけど。)伝統工芸を生業としていくのは経済的に苦しい面もあるので、そういったところをどうしたら改善できるのか、人工知能技術がどのように役立てられるのかを考えてみた。

原稿では伝統工芸の「伝統」にも言及した。伝統を担うのは地域、およびそこで暮らす人たちであるが、地域に根ざした組織的な(精神)活動の重要性に触れ、研究対象の核はそこにあるのではないかと指摘した。組織的な活動といってもスキルサイエンスからのアプローチなので、実践的な取り組み、体を動かしての活動に着目している。そういうことを考えるのに編み物というのはよい素材であった。地域ごとに独自の発展を遂げてきているので。地域で受け継がれてきた伝統の技を活かすことを強調した。観光客向けにお土産を売るだけではない、別の活かし方があるはずと思う。

図書館に置かれているかもしれないので見かけたら読んでみてください。注文して買って頂けるとなおありがたいです。(ちょっと高めですが。。)この前の号では特集を担当していたので、結構長い期間(10ヶ月くらい)学会誌に関わることとなりました。(編集委員としての最後の仕事だったのですが、任期終了後の仕事が長かった。)僅かながら反応も聞こえてきており、うれしい限りです。久しぶりに原稿の締め切りがない状態になり、GWは落ち着いて過ごせました。

慎ましやか

手染めや椿姫」さんより入手した草木染めの糸を使って試作していた。小物を3つ作ってみて、化学染料にはない慎ましさを感じた。化学染料と比較すると淡い色合いだが、目に優しい。ただ柄とか編み地に工夫を凝らさないと弱いというか、存在感が薄い。アラン模様のセーターはケーブルをくっきりと表面に描き出すが、色彩のないモノトーンの世界ではその方が目を引くだろう。自然素材で作ったものを組み合わせてもなかなか華やかにならないので、陰影や質感を工夫する方向に進んだと思われる。北欧(エストニアなど)やフェアアイルなどは凝った模様が印象的だが、それらのデザインは化学染料を前提としていると思った。それらの色彩に凝った模様が出てきたのは比較的最近、おそらく19世紀になってからと考えられる。伝統柄といっても新しい。そういったことが実感できた。

草木染めの糸の良さは優しさだろうか。触ったり、編んでいたりしているときに和む。200年くらい昔まで遡れば自然由来の染料しかなかったから、我々の生活もトーン(色調)としてはもっと落ち着いていたはずだ。木目と白壁だけの環境であれば、草木で染めた糸もしっかり存在を主張していたに違いない。かといって生活環境を変えるほどの勇気はないのだけれど。

色を変えて編んでみた(左)・・・のだが慎ましい色調になった

色を変えて編んでみた(左)・・・のだが慎ましい色調になった

JAI山を散歩。藤の花が咲いているのだが風景に溶け込んでいてはっきりしない。自然の中での色とは本来こんなものなのだろうと思う。

JAI山を散歩。藤の花が咲いているのだが風景に溶け込んでいてはっきりしない。自然の中での色とは本来こんなものなのだろうと思う。

tamtamtron タムタムトロン @湯涌温泉

tamtamtron タムタムトロン @湯涌温泉に行った。参加してきたといった方が適切か。出演は次の通り:

  • RaquyDanziger (ダルブッカ、ケメンチェ奏者)トルコ
  • 牧瀬敏(ダルブッカ奏者)京都
  • Michael Joseph Burdi(ウード奏者)アメリカ
  • 田島隆(タンバリン奏者)関西
  • Solo Keita(ジャンベ奏者)ギニア
  • Clier Okamoto (アフリカンダンサー)ギニア
  • カタンナ(アフリカンダンスグループ)金沢
  • MIHO(ベリーダンス)東京
  • Nourah(ベリーダンス)東京

直前まで合宿もあってそちらにも行きたかったのだが、急な仕事が入ることも増えているので合宿の方は参加を断念した。tamtamtron の方も直前まで行くかどうか迷った。場所が不便だし、どのようなイベントなのかよくわからなかったので。それでも興味の方が勝って、恐る恐る足を踏み入れた感じだが、結果として楽しめた。

中東の音楽をやった人たちは以前にも聞いた*見たことがある。(かれこれ10年くらいになるかもしれないくらいの昔)県立音楽堂で聴いた。ベリーダンスを踊る人が二人加わっていたのが印象的で、楽しめた(よかった)のだが、今回も素晴らしい踊りを披露してくれた。野外で月の下で踊るのも趣があると思った。アフリカンダンスのグループものりがよかったし。パンディーロ(田島さん)も上宇だった。早々に動画を公開している人がいました。

アフリカンダンスを披露してくれた人たち

アフリカンダンスを披露してくれた人たち

会場の様子

会場の様子

お店も出ていた

お店も出ていた

興味深かったのは最後の自由セッションのところで、この夜の出演者が入り乱れて合奏した時。最初ダブルッカの人が4つ打ちのビートを叩き出したので、どうなるのか興味津々見守った。田島さんが上手に合わせて演奏し出したので、器用な人だと感心した。この日気づいたのだが、中東(トルコなど)の音楽はアクセントが前に出る系統のリズムで、アフロ系とは逆になる。日本の音楽は前者に属するが、最初に音頭をとった人がそちら側だったので、これは面白いことになりそうだと感じて成り行きを注視した。ジャンベの人はやはり合わせにくそうで、適当にフィルだけ叩いてお茶を濁している。プロだからリズムにはついていっているけどノリノリではない。日本人演奏者が多いからそちら側に行くのかな、、、と納得し、帰るつもりで会場(広場)を出かけた。その時、ビートが裏返ってアフロ系になり、ジャンベの演奏も生き生きとしだした。自分の好みはこちら側なので、足を止め、結局最後まで参加した。ビートを変えたのは田島氏のようだ。やるなぁ、、と感心した。両方を行き来して、どちらもきちんと演奏できる人は少ない。

気温が低くて(9度くらい)寒かった。湯涌は金沢の奥にあり、標高も高いのでもともと気温が低めなのだが、あとで市内に帰ったときに気温をみたところ3度違った。野外フェスみたいなものとは思わなかったので(会場の様子が想像がつかなかった)、もう少し厚着してくればよかったと思った。わかっている人は携帯用の椅子を持ち込んだり、シートを持ってきていたりしていた。地面が湿っているので防水線のシートは必携と思う。毛布もあるとよい。基本、持ち込み自由みたいだから、気候がよければビールとか持ち込むと楽しめるだろう。(車を運転してくれる人をひとり見つけなければならないが。)この日の気温ならウィスキーだろうな。。来る人を選ぶイベントと思っていたが、50名くらいお客さんが来ていてコアなファンがこんなにいるのかという(うれしい)驚きもあった。年配のご婦人二人連れとか。子供連れの家族も多く、会場の隅に設置されたブランコで夜通し遊んでいたりしていた。演奏者の入れ替えに30分くらいかかるなど、全体としてのんびりムードでこれであと気温が10度高かったら最高だろうな、、、という感想。来年もやりたいと主催者が言っていたので、次の機会があることを期待する。

緩く関連したイベントとして、5月28日、kanazawa 314がある。少し情報もあった。金沢21世紀美術館でやるらしい。朝早いけど。(午前8時開始で9時終了。)民族衣装を着て参加することもできるようだ。まだ参加申し込みできるみたい。

クラフト用紙をレーザーカッターで切ってみる

クラフト用紙をレーザーカッターで切ってみた。縁あって(開発途上なので名は伏すが)木のチップを混ぜ込んだ紙を入手し、これをどう生かしたものか考えていたのだが、丈夫そうだったので加工してみることにした。丈夫そう=耐火性があるだろう=レーザーカッターで切っても燃えにくいのではないか。やってみたらかなり頑強で、全く燃えなかった。正直、驚いた。ほかの種類の木を混ぜたクラフト用紙でも同様なのか、それとも異なる結果が得られるのか、確認する必要性を感じた。

クラフト紙だと細かいパターンも問題無く切れる

クラフト紙だと細かいパターンも問題無く切れる

順調にサイズを小さくしていって仕上がりを確認できた

順調にサイズを小さくしていって仕上がりを確認できた