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織りと編み

アクリルタワシがなくなってきたので補充した。閉店間際のスタイリストゴトウに駆け込み、アクリルタワシ用の毛糸を数巻、買い求めた。手っ取り早く「くるくる編み機」で平編みしようとしたが、糸が互いに吸着しあうようで途中から編んだもの張力が強まり、うまく糸がペグに引っかからなくなる。(編めない。)アクリルタワシ用とあったが、ゴミや汚れの吸着力を高めるよう、表面に特殊な加工がしてあるらしい。くるくる編み機でタワシを量産しようと思っていたので誤算だった。

一時間ほどあれこれ試したが(原因はわかったものの)うまくいかないのでくるくる編み機をあきらめ、手で編んだ。編み方に制約がないので(メリヤス編みではなく)ガーター編みにした。この方が汚れが落ちやすいと家人がいうので。作り目の幅19目で始めておおよそ正方形になるまで、小一時間ほどで完成した。表編みだけなので簡単。いろいろな色が入った糸なので編み進めるうちに自然に柄になる。

家人には好評だったが、比較のため同じ糸を使って織ってみた。編んだものに比べると目が詰んでおり、薄い。伸縮性に欠けるのでクロスタイプのスポンジみたいになった。どちらが整然と(すっきりと)しているかといえば織った方だが、それは機械的に作成する部分が多いせいだろう。

織りと編み、どちらが好きかといえば、編みの方かな。。先月末、福井にて繊維業界の方々と交流した際、最近好まれるのはニット(編み)の方、と聞いた。伸び縮みするので体にフィットする、着心地がよいといった理由らしい。でも歴史的には織る方が先ですから、、というコメントが印象的だった。織る方は先史時台からあり、編む方は7世紀(エジプト発祥)というのが定説。靴下を編んだらしいが、足に馴染むことが歓迎されたのだろう。日本に編み物が入ってきたのは明治になってからで、それまでは「足袋」をはいていたわけだが、字の通り、大昔は袋に足を入れ、(脱げないように)紐で結んだらしい。それと比べたら、編んだ靴下の方がはきやすいのは明らかだ。

編み物が好きなのは、出来上がるものが好きというより、手を動かす(制作)過程が好きという面も大きい気がする。基本、糸と編み針だけで作るという簡素さも好ましく感じる理由のひとつだろう。柔らかいところ、編み目が作る面が疎(すかすか)な感じも好きかな。。しかしいろいろ織っているうちにまた気分が変わるだろう。

同じ糸で編んだもの(右)と織ったもの(左)を比べてみる

同じ糸で編んだもの(右)と織ったもの(左)を比べてみる

薄さと強さ(織り) vs. 厚みと柔らかさ(編み)

薄さと強さ(織り) vs. 厚みと柔らかさ(編み)

織りの世界へ

最近、「モコもじオリーナ」という子供でも使える織機を手に入れていろいろ作っている。制作&販売しているタカラトミーによればおもちゃの扱いなのだが、なかなかの優れもので、パンチカードを読み込ませることで模様が織れる。卓上タイプの織機にパンチカードを読み込めるものはないので、これは画期的なのではないか。自分でパンチカードを作るところまでは試していないが、理屈は理解した。

編むことと比べると織る方が早い。同じ面であれば織る方が早く作れる。ただ伸縮性には欠けるので圧力センサーにしたときにどうなるのかわからない。意外に上手くいくのかもしれない。How to get what you want というサイトを見つけたのだが、圧力センサーを織っており、いい感じで動いている。製作者は本格的な織機をつかっているらしく、大型の装置が写真に写っていた。うらやましい。。。気もしないでもない。まだわからない。ここまで踏み込むかどうか迷うところ。その前に卓上機だろう、試すなら。(自戒)

藍染めの綿糸を織ってみたところ民芸調になった

藍染めの綿糸を織ってみたところ民芸調になった

リリアンで作ったロープで織ってみた。横糸が互いに潜り込み合うことなく、骨太の民芸品といった趣が出た

リリアンで作ったロープで織ってみた。横糸が互いに潜り込み合うことなく、骨太の民芸品といった趣が出た

編み物していて出た端糸(糸くず)を集めて織ってみた。第三世界の織物が派手になるのは残り物を使っているからなのかなという気がした

編み物していて出た端糸(糸くず)を集めて織ってみた。第三世界の織物が派手になるのは残り物を使っているからなのかなという気がした