Daily Archives: 2017年10月19日

茶道熟練者「ぶれない」

今年3月に卒業したRoiさんの修論研究が北國新聞・記者の目にとまり、本日の朝刊で紹介いただいた。Roiさんはメキシコからの留学生で、日本語もかなり上手。日本文化に興味を持ち、茶道部の部長を務めた。茶道を指導してくださった先生が彼の研究を面白いと思って下さったようで、何かの機会に記者の方にお話くださったらしい。それで私のところに問い合わせがあり、諸々お話したところ記事になった。ありがたいことである。写真入りで長く書いてもらったが、要点はタイトルの「茶道熟練者『ぶれない』」と次の一文で伝わるだろう。

指導者は直線を描くような軌道で茶せんを動かし、振り幅は常に安定していた。これに対し、初心者は楕円を描くように茶せんを動かし、振り幅にむらがあった。

Roiさんの研究が北國新聞にて紹介された

Roiさんの研究が北國新聞にて紹介された

地元の方々が我々の研究に興味を持って下さるのはありがたいことである。茶道のデータもまだまだいろいろとりたいところ。

初めてのシャチハタ

生まれて初めてシャチハタで判を作ってみた。これまでは町の人間国宝みたいな職人気質の人に彫ってもらった判を使っていたのだが、時々うんざりするくらい何度も続けて(30枚とか)書類に判を押さなければならないことがあり、いちいち朱肉を使うのが面倒になったのである。シャチハタを半ば軽蔑していたところもあるのだが、朱肉を使わず連続して判を押せる誘惑に負け、とうとう作ることにした。

ネットで調べてみるといろんな字体を選んでシャチハタの印が作れることがわかった。さらに自分でデザインした文字で作ってくれることもわかった。そうとなるとむくむくとオリジナルな判が欲しいという気持ちが湧き上がり、資料を探して自分で「藤波」の二文字をデザインした。

私は中国の古代文字が好きなので、亀の甲羅に亀裂を入れて書いていた頃の文字を参考にした。「藤」の字も「波」の字も、二千年前には存在しないのだが、もしその頃に存在したらどうだったかと推察してくれている人がいてそういったものを見ながら作ってみた。

今回知ったのだが、「藤」のなかに含まれている月は天体の月ではなく、「舟」らしい。川面に浮かぶ舟から藤の花を愛でるといった趣が浮かび上がった。また「藤」には「水」の代わりに「糸」を使った異字があることがわかり、そちらを採用した。(起源はよくわからないのだが、藤の蔓を表したものか。)「波」の「さんずい」と被るので変化を付けたかったこと、また最近、繊維に興味があるので糸の文字に惹かれたこともあって「藤」は異字体を使った。

これをまた判にするとなるともう一工夫いるのだが、円の中をできるだけ自然に線で埋めるよう、ふくらみをつけて形を整えた。亀の甲羅の亀裂といった趣は失せたが、別の味わいが出てきて面白くなったので、よしとした。

忙しいくせにこんな手間をかけるなんて馬鹿だなぁと自分でも思うが、誰でも作れる判で書類に印を押すのは納得がいかない。オリジナルでなければならないという気持ちを抑えられなかった。我ながら面倒な人である。

ブルガリアから帰ってきたら出来上がって届いていたので、さっそく手持ちの書類に押して秘書の方のところへ持って行った。私はしつこい性格なので、押印したものをみてくれるよう彼女に頼んだ。驚いて欲しかったのだが、「おしゃれですね」と言われて、戸惑った。そういう感性もあるかもしれない。おしゃれな印が作れてよかった、と満足することにした。

古代文字を参考にシャチハタで「藤波」の印をつくってみた

古代文字を参考にシャチハタで「藤波」の印をつくってみた