波は風が起こす

エーゲ海は穏やか、という印象があったが(文献などによる)、湾から出ると波が高い。そのうち収まるのかもしれないが、この波はどこから来るのだろうと考えてみた。

波が高いときは風が強い。この日も午後からかなり強い風が吹き出した。向きとしては南からの風で、Johnによれば熱いアフリカで暖められた空気が寒い北ヨーロッパへ吹いているんだという。サハラから砂を運んでくるので、車は泥で汚れてしまう。家の中にも細かい砂が入り込んでくる。

この風が波を起こしているのではないかと考えた。空気のような軽いものが、水みたいな重たいものを「動かす」とは直感的に納得しがたいが、波が立って風が起きるとは考えにくい。大気の変化が海洋をかき混ぜていると考えた方が道理に合う。

古代ギリシア人らがプネウマ(宇宙の呼吸みたいなもの)と言い出したのは、優れた船乗りでもあった彼らが波の立つ理由を考えた末にたどり着いた理屈なのかなぁと思った。湿気が無くて空気が乾燥しているから、余計にそう感じるのかもしれない。日本だと湿気を含んだ風が体にまとわりついて不快でしかないが、それとは違った感じがする。

夏になれば海が穏やかになるらしい。早くそんな海を見てみたいものである。とりあえず今日の荒れた海を動画で保存しておく。後日、比較するために。(「初夏の地中海」)

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