海草

大学からアパートまで徒歩35分の距離があって、気温が上がるにつれて行き来に体力を消耗するようになってきた。できるだけ日陰を選んで歩くようにしているのだが。

そんなわけでアパートに帰り着く頃には汗だくになっている。そのままシャワーを浴びてもよいのだが目の前に海が広がっているのでまずはそちらに足が向くことになる。

気温の上昇とともに水浴客が増え、これまで自分が泳いでいた辺りが混雑しだしたので、波の穏やかな湾から出て外海で泳ぐようになった。数日前にゴーグルを買ったので海中での視界が広がり、いろいろなポイントを見比べている。湾の中は静かで泳ぎやすいが魚は少ない。どちらかというと死んだような海である。一方、外に出るといろいろな魚が群れている。これはどうやら岩に張り付いて繁殖している海草のせいであるらしい。

魚の群れを追っていると一面に広がった海草に口を突っ込んでなにやら食べているのに出くわす。プランクトンやら小エビやらがいるのだろう。岸壁から少し離れると海草もなくなるので魚もうろついていない。食の好みが違うらしい、小さめの魚が数匹、群れて漂っている程度である。

魚の多いところはまた水温が高いことを発見した。水面近くを漂っていると暖かい流れに出くわす。そうするとたいてい小さなメダカみたいな魚が大量に群れている。地中海の強い日差しは水にはいってもまだ明るく海底を照らし出す。陽の光を浴びて、海草の草原(?)を背景に小魚の群れがきらきらと輝きながらすーっと動いていく様に心を奪われる。

学校が休みに入ったのか、子供たちが大挙して押し寄せてきて、すぐ横でシュノーケリングしていた。昨日は浜辺でウニを採って食べている人たちを見かけた。調べてみたところ2011年から捕獲禁止になったらしい。それまでは勝手に採って食べて良かったということにむしろ驚いた。ウニは結構見かける。踏まないように気をつけないと。

夕暮れ時。ほとんど湖のような穏やかさ。

夕暮れ時。ほとんど湖のような穏やかさ。

ヨットが行き来するのが見えた。浜辺では英語を勉強しにきたらしい学生らの集団がBBQを楽しんでいた。

ヨットが行き来するのが見えた。浜辺では英語を勉強しにきたらしい学生らの集団がBBQを楽しんでいた。

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