フランス風

先週、くるりの詩集が届いて、ちょっとずつ読んでいる。装丁が変わっていてフランスの詩集みたいに袋綴じになっている。お洒落だなぁと思った。ざっと読んでみて、とりあえず面白かったのは「おわりに」のところ。(特定の詩ではないのが申し訳ないところ。)

(略)その時味わった感覚が唯一のものであり、それがなんだったのか理解するには時間も必要になるだろう。ストーリーを知るといろんな感情が浮かぶが、それがどういう感情なのかを結局本人も作者もわかっていないことって意外と多いんじゃないかと思ってしまう。でも言葉にはその瞬間の感覚が残る。(後略)佐藤征史

「言葉にはその瞬間の感覚が残る」というのは上手に言うなぁと感心した。その通りだと思う。後になって自分が書いた文章を読み直すのは恥ずかしいこともあるけれども、なんか気取って書いているなぁと思ったり、素直に書いていて可愛いじゃないかと自己弁護したり、いろいろな楽しみ方が出来て良い。まぁ、そんなに意気込んで書くなよ、肩が凝るじゃないか。。と言いたくなる文章が多いけれど。

もうひとつ感心したのはところどころ手書きのメモ(詩+解説)が見開きで読めるようになっているところ。手書き、直筆で読めるのはとても面白い。言葉の重みをよく分かっている人たちなんだなと思った。自分も大切な手紙は手書きする。キーボードでタイプして書く文章とは明らかに違うものになるし、そもそもタイプしては書けない文章を書く。これをタイプすると文の味わいが抜けてしまうんだな、、手書きの文章は手書きのままを読むのがよいと思う。だからそういうところに共感した。

キーボードでタイプするとすらすら文章が書けてしまうのがいけないんだろう。苦労がないから気楽に、(結果、適当なことを)書いてしまう。手書きだと一文字一文字よく考えて書くから気持ちが入りやすい。そういうことなんだろう。毎日タイプしてメールを何十通と出しているとだんだん気持ちが荒んでくる。手書きだと余計に大変だけど、、、もっと不便になればいいのに、、と思う。

ところで詩集に収められているひとつひとつの詩は面白いけど、読んでいて気恥ずかしい気もする。思春期の青年の心持ちだな。あまり共感できるものはないけれど面白い表現だなあと感心するところはいろいろある。「ハム食べたい」聞きたいんだけど、、ネット上では聴けないみたいだからCD買うかな。何だか訳の分からない歌の方が面白くて好きだ。

各ページが袋綴じされていて味わいがある

各ページが袋綴じされていて味わいがある

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