深澤直人がデザインする生活の周囲展

深澤直人がデザインする生活の周囲展(パナソニック汐留ミュージアム)をみた。(今週は東京と石川を二往復。)深澤直人さんのことはNHKのプロフェッショナルで仕事ぶりを拝見して以来、興味を持っており、昨年、金沢にいらした時には応募して講演を聴きに行ったりもしている。物事をきれいに、整理・整頓するというところ、その追究の仕方に惹かれる。

著名な方だと思うが個展に相当するものは今回初めてとのことで意外だった。パナソニックの製品をいくつかデザインした縁でパナソニック汐留ミュージアムでの展示となったものと思われる。一見すると家具を展示したモデルルームのようでもあり、ついつい展示品(作品)であることを忘れる。リビングを模したコーナーではテーブルランプを下からのぞき見ようとして、ついそこにあったイスに手をかけてしまい、係員に注意される羽目となった。

個々の展示品は深澤氏らしいもので、まぁそうだろうなという感じ。ここでの見所は個々の物ではなく、それらが一緒になって作り出す全体の雰囲気だろう。タイトルにもAMBIENTとある。

本展覧会タイトルである「Ambient」とは直訳すると「環境」ですが、深澤はこの言葉を「周囲」や「雰囲気」と捉えています。深澤は、環境からものの輪郭を導き出していますが、それはつまり、その環境が要請したもの、そこにあるべきものを生み出すことなのです。そのようにして生み出されたものがその場所に投じられることによって、ものと空間が相互に作用し、はじめて「いい雰囲気」が醸し出されるのです。本展覧会では、その「いい雰囲気」を醸し出すことを実践しています。深澤がデザインした「もの」は、生活の中で使用されることにより、さらにその周囲の空気をもデザインすることになるのです。(展覧会の説明から)

というわけでどのような雰囲気を出そうとしたのか読み解こうとした。言葉にすれば凛とした感じ。無駄を排することは厳しさに通じる。日本語英語でいうストイックな感じ。心地よいのだが、こういった「趣味」は世代的には自分たちよりも二世代くらい上のものという感じがする。シンプルに白とか黒で統一して暮らすのが流行ったことがあった。生活感はむしろ感じられないような。。しかし、創作の場には相応しい。要するに人を甘やかさない空間。

リビングだと思う。舞台装置みたいだ。

リビングだと思う。舞台装置みたいだ。

バーカウンターのあるキッチン。スツールが全体を引き締めている。酔えない雰囲気。

バーカウンターのあるキッチン。スツールが全体を引き締めている。酔えない雰囲気。

入り口ホールと思う。来訪者を優しく受け止める空間。

入り口ホールと思う。来訪者を優しく受け止める空間。

バスルームへのアプローチとみた。脱いだ衣類は椅子にかけ、鏡で己の肉体を確認せよとの意味か。痩せられそうだ。

バスルームへのアプローチとみた。脱いだ衣類は椅子にかけ、鏡で己の肉体を確認せよとの意味か。

来訪者と話す空間といった趣。すぐに本題に入れそうだ。

読書室か。集中できそうだ。

廊下の角に照明を配する

廊下の角に照明を配する。自分の位置を光の変化で感じる仕組みか。

子供部屋かな。真面目な子に育ちそう。

子供部屋かな。真面目な子に育ちそうだ。

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